2018年03月08日

【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その4(12「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)

(その3からの続き)
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― 続いて、12曲目「ファンタジーメモリーズ」について。作曲・編曲の菊池卓也さん、作詞の仲村屋さん、ギターを演奏されたGENTさんです。
菊池:豊田を中心に活動されているミュージシャンを集めての交流会が行われた席で、仲村屋さんやGENTさんと交流を持つきっかけにもなりました。その際に僕が「3連譜を押し出した曲(いわゆる音頭調)もあったらバリエーションが増えますね〜」と周りの人に言っていた気がします(覚えている方は少ないと思われますが…笑)。個人的にはその方向性でいこう、とその日から考え曲想をあれこれ考えていました。
「Only Shining Star」の件でもお話ししたように、僕は昔からゲームっ子だったので、某有名ファンタジーなシューティングゲーム(ベルを打つやつ 笑)のBGMが曲調、進行がとても好きだったので、そのようなファンタジックな曲を一度作ってみたい、という気持ちもありました(「Only Shining Star」も別の有名シューティングゲームからインスパイアされています)。
いざ曲を作り始めると、イントロ後に全然曲調の違うフレーズがいつの間にか出来てしまっていました。「あれ、なんでだろう?」と一度は思いましたが、こう言う混ぜこぜの感じも悪くないな、と思いそのままモチーフとして曲に絡めていくことにしました。
いわゆるバロック調と呼ばれる古典音楽のジャンルですね。チェンバロとかがとても合います。なんかもうアイドル王道曲とか既に頭にありません。やはりどこかの別のゲームから出てきたんだろうな、と今は反省しています(笑)。
そのままの勢いで作ったら、間奏はさらに壮大なバロック調にしよう!と、もう止まりませんでした。全体の構想などお構い無しに突っ走っていった感じです。
歌詞を仲村屋さんに作っていただく際に「ファンタジー曲(仮)」と音源を送ったら、なんと割とそのままなタイトルになりました!当初は現在のキーから半音階3つ上の調で作っていたのですが、仲村屋さんから「このキーでは難しい、3つ下げくらいが丁度いい」と言われたので、その通り調を変えたのですが、仲村屋さんはどちらのキーでも仮歌を送ってこられたのが一番ビックリしました(笑)。
あー確かにこれではメンバーは歌えないな、と思い知らされたと同時に、仲村屋さんの歌唱力にも驚きました!
曲の骨組みが出来た時に「これは何か足りないなぁ」と感じ、GENTさんにギターをお願いすることにしました。GENTさんには、特にこうして欲しいとか要望せずに投げたのですが、すぐに曲調や意図するフレーズを察していただき、間奏の部分など、あぁここにこのギター最高!美味しい!などと、もうなんか別の曲になったような感動を覚えました(恐らくものすごく苦労されたんだとは思いますが…)。
コラボのような形で曲を作るのは本当に楽しいし、新たな発見になるなぁと感じた曲でもあります。
清水Pに「こんな曲出来ました」と提出した際も、特に変更や注文も何もありませんでしたので「あぁ、これはこれでいいんだ」(若しくは諦められてるか…)と一人で納得していました(笑)。
仲村屋:「ムーンライトパレード」のデモ用に書いていた歌詞が、「ファンタジーメモリーズ」に使えそうだ、というお話をいただき、作詞を担当させてもらえることになりました。ファンタジーな物語を象徴するようなゴシック調のチェンバロの音色が魅力的で、作詞をしながら聞きほれていました。
GENT:12月になってから(組曲の打ち合わせ時)菊池さんからギターを入れたいとご依頼を頂きまして、デモを聞いたときにイントロはこうなんだろうなと3連ユニゾンのギターを入れてみました。間奏のギターソロはテーマがもともとあって、それを弾いたんですがなかなか難易度高かったです(笑)、マーティフリードマンぽくなったんじゃないかなと思います。
― ボーカルレコーディングについて。
菊池:あらかじめ清水Pがある程度歌の割り振りをしているのですが、僕が注目したのは荒武彩音さんです。イメージ的にも声質も合っている感じがしました。メインは主に彼女に主軸を合わせMIXしていきました。
レコーディングの際は、作詞いただいた仲村屋さんも同席していただき、歌い方の指示からだんだんと歌のレッスンみたいになっていったのが印象に残っています。「VoxBox音楽教室」ですね(笑)。
それぞれが歌のパートを歌っていくのですが、その中でいちばん良い雰囲気で歌っていたのが萩野陽向子さんでした。曲メインではないのですが、可愛らしい声の裏返り方やひたむきさなど、上手下手では計れない独特の雰囲気を出していたので、ここに絶対合うな!というところに声を当てはめて、ファンタジーさに一役買っていただきました。
仲村屋:「ファンタジーメモリーズ」は作曲された菊池さんと2人でディレクションさせてもらいました。途中で私がブースに乱入してボイトレが始まるなど、メンバーを驚かせてしまった記憶が…(笑)。ラップの部分は、それぞれの声質の個性をいかしたディレクションがあり、ミックス前の個人のテイクを聞けた私は幸せ者かも知れません。
― 楽曲の聴きどころは?
菊池:イントロからワクワクするような雰囲気からいきなりバロック調へドーン!からの浮遊感のあるファンタジックなAメロなど、常に予期せぬ展開になる、ある意味カオスな展開を楽しんでいただけたら、と思います。
Aメロはメロディーは単調ではあるものの、バックのコード進行を面白く動かしています。自身でよく聴いたら、「いちばん優しいひと(アカペラ曲)」とそっくりだなぁと最近気がつきました。
Bメロ、これはサビに繋げる為だけに有る感じです。GENTさんの曲「アイ♡ワナ」のBメロのように、サビ前に徐々に盛り上げていくクラブミュージックの手法を取り入れてみた(つもり)です。曲の全編通してそうですが、ハンドクラップの音色がずっと入っています。そのような感じで手拍子など入れていただけたらなぁ、と勝手に思っています(笑)。
サビは音程的には動きが少ないですが、追っかけの部分がキモかと思います。歌詞はそれぞれ違うんですが、是非覚えて(!)一緒に掛け声を上げていただきたい次第です(願望)。
間奏はバロック調の最骨頂です。〜囚われの姫が魔王(人間)の塔から救いを求めている、何処からともなく歌のような、囁きのような声が聞こえてくる…しかし勇者は無事魔王(人間)から姫を救出し、自由な世界に解き放った!〜 以上です。ゲームです(笑)。
仲村屋:どうまえなおこさんの原作を読んだ時から、このシーンの楽曲は絶対に携わりたいと思っていたので、作詞という形で叶って嬉しかったです。アイドルヲタクのシゲヲと、メロウ両方の視点になっています。ぜひストーリーとあわせて楽しんでほしいです。
清水:本アルバムの中では唯一菊池さんのみ2曲書いてもらってて、すでに「Only Shining Star」でライブばえな4つ打ち曲やってもらってるので、もう1曲は自由に作ってもらえればと思っていました。それでもデモを聴いた時は「3連で、バロックで、打ち込み音色か〜」といい裏切りをされました。このインタビューでゲーム音楽がベースになってると聞いて、なるほど〜と納得した次第です。
実はこの曲は、デモの到着が遅くて、ストーリー上に当てはめられなくて、とりあえずこの曲順で置いてたんですが、仲村屋さんの「ムーライトパレード」についてた最初の歌詞がこちらに合いそうで、作詞を仲村屋さんにお願いしました。作詞期間が短い中で仕上げていただいて助かりました。尺も短い曲ですが、なんかねアルバムの中でもジワジワと聴き込むと効いてくる曲ですよね。
ストーリー上では、メロウが謹慎となって、好きな人の顛末がわかって、別れが段々近づいている雰囲気を歌っています。

― 続いて、13曲目「泡沫の人魚-組曲-」について。
清水:問題作ですよね(笑)。今回コンセプトアルバムということで、コンセプトアルバムと言えばプログレでしょう、ということで長尺の組曲的な色んなパートが連なっていく曲をやりたいってのは当初からあって、でもどうせやるなら、1人で作るのではなく、共作でやりたい、Star☆Tのデビュー当時から支えていただいた木蓮堂さんと菊池さん松中さんと清水でやりたいって思ってました。
菊池:去年の12月始め、CD発売まで2か月ちょい前、豊田市内の某珈琲店にて組曲担当者が集って、構成などの位置合わせがあったんですよね。組曲の特色は、「詞が先」というものでした。短編小説はほぼ出来上がっており、歌詞もあらかた決まってました。
清水:他の収録曲は、ストーリーを離れても1曲として成立する作詞をお願いしたんですが、この組曲は、どっぷりストーリーに沿った内容にしたいと。それで、短編小説から抜き出した文や作品テーマをまずは書き出しまして。メロウの最後ライブシーンの描写にそれまでのことがフラッシュバックしている感じにして、その詞に沿って曲をつけていきましょうと。詞先ってやってみたかったんですよね、やったことなかったので。
菊池:組曲のコンセプトは「共作」、それぞれがそれぞれのモチーフを作成して、繋ぎ合わせる。静かなパート、激しいパート、オーラスのように見せかけて、後にスタッフロールのような大エンディングが流れる。「なんて素敵な楽曲なんでしょう!しかもそれをアイドルがやるなんて‼」と、思ってすごい興奮しながら、さながら小学生のちょっとお調子者が「はいはーい!僕やりまーす!」と言うかの如く、最終的に曲をまとめる役をかってしまいました!怖いもの知らず、とはこのことを言うのでしょうか(笑)。
清水:菊池さんが「僕がまとめます」って言ってくれて、もう、すごくありがたかったです(笑)。時間もなかったですので(ボーカルレコーディングまで3週間)、仮の歌詞を元に、パートを清水、菊池、木蓮堂で割り振って、あとは順番に作っていってみましょうと。共作と言っても一緒に輪になってではなくて、それぞれデモ音源をデータでやりとりして順番に繋げていくというやり方です。
菊池:清水Pの構想は凄く面白そうな要素がたくさんあって、是非参加したいという気持ちがありました。で、パートの割り振りは、作曲家陣のもろもろの意見をものともせずに独断にて粛粛とパート分けをしてゆく清水P。パート分けは以下のようになりました。
パート@ 静かめ 清水
パートA 激しめ 菊池
パートB 静かめ〜激しめ 木蓮堂
パートC 静かめ 松中
パートDE 激しめ〜静かめ 清水
清水:本当にこれだけの指示でみなさんよく作ってくださいました、申し訳ないです(汗)。あとは「メロウ」のモチーフメロディも入れれば入れて下さいと。
菊池:皆それぞれ宿題を持って帰りました。時間の猶予もありません。早速@が到着。ギターのイントロ。これが来た途端に、Aはロックしかない、と思いました。もうアイドルとか関係ない、思いついたフレーズをロックにしてやろう!と僕は思い、割と早めにモチーフを提出しました。そしたら、「短いので2回ししましょう」ということになりました。歌詞も増えました。
続くBの木蓮堂さんは、フリーな演奏でのモチーフが返ってきました。
正木:「メロウ」のところで話したとおり、組曲の木蓮堂パートもmaj7の嵐で作ったんですが、この和音のいけないところは、調性が希薄なため、音程をとるのがとても難しいところ。
菊池:雰囲気は凄く良い、でもどうやってプロジェクトに合わせよう?歌詞の譜割りはどうなっているんだろう…、と一抹の不安がよぎってました(笑)。
正木:実はレコーディングの日、和香は都合で出席できず、私ではとてもじゃないですが、ボーカルディレクションは出来ませんでした、、、(泣)。見かねた菊池さんが指示を出し、松中さんが急遽仮歌を歌ってくれたのですが、実はそのメロディも想定したものとはちょっと違ってましたが、、、(笑)。そんなわけで、二人揃ってようやく一人分の木蓮堂です(笑)。
菊池:そしてパートC、それまでのモチーフを松中に渡し、こういう感じが良い、と指示を出します。Bまでのモチーフが短いので、長めに取るほうが良い、などと。
少し待って、松中は壮大な、まるで一曲の賛美歌のような曲を出してきました。面白い!面白いぞー、と思いながら細かい修正など擦り合わせていきます。コーラスもこの時点で松中が宅録にて入れていました。
清水:打ち合わせの時に、どうせなら10〜15分くらいの曲にしたいですねって言ってたんです。アルバムのトータルタイムも60分超えるくらいにしたいと。なので松中さんパートでグッとまん中が埋まって「なんかうまくいきそうだ、あとはクラマックスだな」ってなったと記憶してます。
打ち合わせの時に、こんな感じにしたいって参考をみなさんに示させてもらったんですが、クイーンの「ボヘミアンラプソディ」とか、ジェネシスとか。ビートルズの「アビーロード」のB面のイメージもあったりとか。で、個人的にはジェネシス大好きで、ピーター・ガブリエルがいた頃ですね「フォックストロット」とか「ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」とか。ああいう感じにしたいなと。
やってみてわかったんですが、3〜5分の1曲をまとめるのとはまた違ってですね、短いフレーズってパッと思いつくかどうかというか、インスピレーション一発的な感じがあります。詞先でもありましたし、パート@も、他の曲でアコギの音が使われてないので、アコギ出だしがいいかなって、弾きながら歌いながら、ジャン、ジャラジャーン、うん、こんなもんかな?って感じで作ってしまいました。1曲を作るのもいいインスピレーションをどれだけ重ねられるかだと思いますが、そこから、構成とか飽きさせないようにとか、色々考えながらまとめていくわけです。でも今回は、もう思いつきそのままというかね、多分他のみなさんもそうだったと思うので、実はそれぞれの一番コアなものが露出しちゃってる感じはあると思います、まとめる作業をする前のむき出しな感じが。
それで、パートDなんですが、松中さんのパートが3拍子で、ギター弾きながら、じゃあそのまま6/8リズムかな、盛り上げて盛り上げてって感じでここもスルスルっと作っちゃいました。作ってみて、前に作った曲のフレーズ持ってきてることに気づいたんですが(2015年のZepp名古屋ワンマンライブで披露したCD化されてない曲です)、まあ、ここならそれもアリかなと。で、曲的に生バンドアレンジだなと思いましたので、GENTさんと仲村屋さんにギターとかオルガンのソロパートも空けてと。
で、最後どう締めようかなって時に、ふと詞がパート@のメロディに乗りそうだなと気づいて、パートEができて。これで終われるなと。最初のパートのメロディを最後に持ってくるのは最初から目論んでたわけではありません。
個人的には、パートDからEの切り替わり、ブレイクなしでテンポがかわるところが、ピンクフロイド「狂気」の最後の方っぽくて、満足してます(笑)。
― レコーディングも大変だったんじゃないでしょうか。
菊池:今まで割と長くお世話になっているVOXBOXスタジオが大混乱に陥っていました。僕がギリギリまでかかって作成したデモトラックのせいかも知れませんが(きっとそう)、それぞれの作曲家陣、演奏家に、音を合わせたデモのデータと、パラデータ(それぞれの楽器をバラバラにして送るデータ)のおかげでデータ量が半端ない容量となっていました。それを昨日今日でまとめ上げるのですから一筋縄では行かないはずです。
各メンバー、作曲家陣、演奏家陣、エンジニアと総集結して、まだ出来上がっていない譜割りやアレンジコーラスなど、スタジオで作り上げた感がありました。収録ブースでは松中の指導による朝空詩珠紅さんパートの、慣れない拍子で歌う練習(3拍子※厳密に言うと6/8拍子のスローテンポ)、エンジニアブースでは、生楽器はどういう風に収録するのかだの、ここはこういう譜割りで歌って欲しいだの、データがバラバラなのでそれを繋ぐ作業だの、メンバーはひたすら自分のパートの練習だの、とてつもないやり取りがあちこちで行われカオス極まりないものでした。
普段は冷静沈着でサクサク作業をこなしているエンジニア深井さんが焦っている姿を初めて見ました(笑)。
なんだか、、楽しかったです(お前がいちばん悪い←)、制作現場!って感じがしました。
― それを菊池さんがまとめられたわけですね。
菊池:はい、でも、恐らく作曲家陣は皆思い通りになってないのかな、とも感じました。
Aのロックパートでは、もっとリズムを細かく刻んだイメージ(ベースもスラップでした)が、正木さんの生楽器が入ったことにより見事にグラムロック風の重い感じに変化しました(キメの部分は残してあります)。
Bのパートはメロディが意図したものとは違う感じとなり、激しめのパートはデモからかけ離れた雰囲気になりました。
Cのパートは、松中が細かく指導しすぎたあまり、詩珠紅さんの歌がややぎこちなくなった感がありますね、、、。
GENT:ギター入れさせてもらいました。最終デモの段階でギターが入っていましたので、それを再現しようとしたんですが、いかんせんキーボードで打ち込んだギターの音なので、自分なりに解釈して弾いてみました。ギターを録ったのはクリスマスイブ(歌録りの前日)でサンタさんが来る時間帯も弾いてたのでサンタさんは来ませんでした(笑)。メロウのイントロメロディーを弾いたり「アイ♡ワナ」のど頭のキュイーンってのを入れてみたり11分聞きどころ満載です。
清水:この曲全編ギターが、アコギやエレキで入ってて、曲調ジャンルも様々で、裏のキーマンはGENTさんですよね。パートDのギターソロも求めてた以上のソロを弾いてきただいて。
パートDの歌は牧野凪紗に割り振ったんですが、ちょっとキーが低かったですかね、前後の繋がりでそうなっちゃたんですが。それで、嶋ア友莉亜が苦労して上ハモ入れてます。パートEの和久田朱里はいい感じですね。これまでの和久田の歌の中で一番いいんじゃないでしょうか。
菊池:でも、色んな方と協力して創る、というのはこういうことなんだな、と思いました。もちろん1人がワンマンで仕切って、自分の想い描いた音楽をとことん追求するのもアリですが、自分の予想もしない出来事が起こり、最終的にまた自然と形になっていく。そういう曲作りは個人的には好きです。
そんな感じでも時間が限られて(オーバーして)やっと出来た曲です。
サラッと聴くのも良し、とんでもないやり取りが行われて出来た曲(だいたいは僕のせい)と思い浮かべながら聴いていただくのも、また乙かなと思います。
― 最後に聴きどころを。
菊池:一つの曲で歌、楽器、アレンジ、ミキシングが違うという点ですね。歌のリバーブの掛け方、ドラム、ベース様々な点でパート毎に変えています。
Aロックパートでは、メンバーの皆さんに「ロックに歌って!」と指示をしました。メインではないメンバーも思い思いにロックを演じて歌っているので、じっくり聴いていただけたら、と思います。
Bセリフ「雨粒がポツリポツリと体にあたる」の後のピアノのトリルは、まさに体にあたりゆく雨粒を音で演出しています。ここから激しい嵐が始まる予兆のような展開です。
C朝空詩珠紅さんパート、「メロウ」の最後の言葉として象徴されるこのパートは、さながら昇天してゆく天使のようです。松中もメンバーでは無いにもかかわらず、コーラスを精密に(宅録で)作り上げ雰囲気を演出していると思います。
D今までの話を総清算するような力強い牧野凪紗さんの歌です。2015年に行われたZepp名古屋でのワンマンの「未発表曲」がこれに当たりますかね。そう言えばその時もパートが入っていたのを「組曲」と表記していた気がします。
清水:そうでしたね、前々からやってみたかっとことをCD収録という形でやれて満足してます。制作期間も短く、力わざなところもありますが、その分勢いみたいなのも感じて、これまでの積み重ねがあってこそやれた曲だって思いますね。

― そして、いよいよ最後、14曲目「2021」について。作曲・編曲の深井勇次さんです。
深井:仕上がりを聴いても分かる通りライブばえ音源を目指しました。「叫べっ!」の様なお客さんと一体感が作れる様なモノになればと思っておりましたが、清水さんにもその意図を汲み取って頂きイメージ通りになったと思います。
― ボーカルレコーディングについて。
深井:毎回レコーディングさせて頂いていますが、リズムや音程はもちろん各メンバーがそれぞれの個性を発揮出来る様になってきたなと思います。エンジニアとして、その表現力をしっかり収録出来る様にマイクのチョイスも替えてあります。組曲のしずくちゃんパートなんかはハマり過ぎていて驚いているくらいの良い収録音でした。
― 楽曲制作でこだわったところは?
深井:いつも曲を作るときに頭に入れている事は「物足りなさ」です。なるべくコンパクトな構成にして、もう一度聴きたいと思ってもらえるようにしています。何度も聴いて頂いて1番2番の小さな違いにも気づいて貰えれば嬉しいです。
― 作詞は清水さんですね。
清水:先行曲として深井さんからデモが届いた時に「これはアルバムではラストの曲だな」と決めました。それで、詞を書かせてもらおうと。基本できれば詞は他の人に書いてもらいたいと思ってるんですが、この曲は最初から自分が書こうと思いました。
「2021」というワードは、実は「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」を作る前のSHUNさんとの打ち合わせで出ていたワードでして、メンバーたち、若い人たちがこれから生きて行く世界、オリンピックが終わった、夢が終わった後の世界を生きて行く決意っていうのを歌って欲しいなと。そういう意味では「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」の続編的な歌でもあります。
ストーリーと直接リンクする内容ではないですが、メロウが去って、愛を持ってないはずのメロウから愛を受け取った人間が、それぞれ少しずつ愛について考える、というラストにふさわしい感じになったかなと思ってます。
「泡沫の人魚-組曲-」の最後、雷と雨の音から曲間なく牧野凪紗が息を吸って歌い出す感じがいいですよね〜。ある意味では組曲から繋がってる曲としても聴ける流れになってます。

― ありがとうございました。最後に、アルバムをお聴きの方にメッセージを。
清水:大変長々と失礼しました、曲が多いのでお許しください(汗)。でも、手前みそになっちゃうんですが、私自身も思ってた以上に、まとまりのあるとってもいいアルバムになったなと、本当にね、そう思ってます。例えば「モノクロームデイズ」も3タイプで10曲あって、いわばアルバムだったんですが、色んなタイプの曲がごった煮のように入ってて、あれはあれでいいんですが、今回はコンセプトアルバムとしてのストーリーを除いたとしても、曲とか音とか、いろんなタイプ・ジャンルの曲がありつつ、でもなんか統一感があって、まとまってる印象があります。
特に若い人たちは、アルバムを聴くという習慣がないのかもしれませんが、64分じっくりとStar☆Tの、「メロウ」の世界観に浸って聴く、アルバムのよさってのを体験してもらえればうれしいです。
ありがとうございました。
(おわり)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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posted by Star☆T at 14:26| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)

(その2からの続き)
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― 続いて、7曲目「アイ♡ワナ」について。作曲のGENTさんです。
GENT:曲の依頼の時に4つ打ちの曲でお願いしますとのことでしたので、4つ打ちであることと誰もが覚えやすくキャッチーなメロディーというところを意識しました。ある日、車を運転してたらメロディーとイメージが湧いてきたので、コンビニに車を止めてボイスメモに残しまして、そこが始まりです。
その後、僕がフルコーラスデモを作ったんですが、イマイチ自分なりにしっくり来なくて、もっと良くならないかと僕の先輩にあたる俊太さんに相談をしたところ、シンセ等全て差し替えてもらいました。しかもデモを送っただけなのにイメージ通りになりました。
― ボーカルレコーディングについて。
GENT:主に歌っているメンバーがmisolaちゃん、ゆりあちゃん、なぁちゃん、く〜ぴょんで、サビで斉藤さんとみおんちゃんに入ってもらって、この曲のみ僕がRecエンジニアをやらせてもらいましたが、若いパワーをもらいました(笑)。タイトなスケジュールの中彼女たちもがんばってたので自分も頑張らなあかんなと。
落ちサビは misolaちゃんに歌ってもらいましたが、レコーディングのときに「いいテイク録れたらソロで使われるかもしれないからがんばってね」と偉そうなことを言ったのですが(笑)、彼女も「がんばります!」と凄く張り切ってくれました。その結果いいテイクが録れましたし、misolaちゃん自身も初めてのソロだったと思うのでとても喜んでくれてましたね。
― こだわったところ、アピールポイントは?
GENT:Star☆Tはダンスが魅力的なので、間奏にライブでダンスパフォーマンスが出来るようなアレンジを入れました。間奏の後半は僕がギタリストでもあるのでギターソロを入れたのですが、あれ実はデモ用の仮のソロのつもりだったんです。でも、自分でもかっこよく出来たなと思ったのでそのまま採用しました。どうでもいいかもしれませんが特に最後のビブラート、あれこだわりです(笑)。
でも一番のアピールポイントはやっぱりみんなが歌えて覚えやすいキャッチーなメロディーです。振り付けも皆んなで踊れるような感じみたいなので、ライブでは是非皆んなで踊って歌って楽しんで頂ければと思います。
― 続いて「アイ♡ワナ」作詞の伴野紀子さんです。
伴野:GENTさんのデモを何度か聴くうちに、サビの頭部分に「I wanna」という言葉がハマって、そこから全体に広げていく感じで書きました。清水さんの要望などで、細かく何度か修正はしましたが、サビの「I wanna 〜」の部分は、最初から全く揺らがなかったです。なので、タイトルもここからすんなりと決まりました。
「ユーロビートの洋楽に、無理くり邦題を付けてちょっとダサくなっちゃった感じがいい」と、清水さんからお褒めの(?)言葉もいただきました(笑)。
この曲をたくさんの人に聴いていただいて、日常のふとした瞬間に思わず口ずさんだりしてくださったら嬉しいです。LIVEでは可愛くてカッコイイ感じになると勝手に予想しています。思わず一緒に踊ったりしてくださったら嬉しいです。
清水:「アイドル王道曲を」というオーダーにもっともストレートに応えていただいたのは「恋するマーメイド」とこの「アイ♡ワナ」ですね。かつ「アイ♡ワナ」はStar☆Tにはこれまでなかったタイプ、ユーロビート感も漂う曲なので、これからライブでもヘビロテさせたいです。
作詞の伴野さんはデビュー曲から何曲も詞をつけてもらってますが、今回結構久しぶりの依頼になってしまいました。「モノクロームデイズ」の時以来かな?タイトルについて確かに「ダサい感じがいい」って言いました、、、もちろん誉め言葉です。「ロックバルーンは99」とか「ウキウキウェイクミーアップ」とか「ハイスクールはダンステリア」とか、当時はなんでそんな邦題つけちゃうの?って思ってましたけど、今となると懐かしい、、、。もう今邦題ってつけないですよね、つければいいのに。
話がそれました、えーと、ストーリー上は、メロウやまわりのアイドル目線の曲、アイドルとは?な設定の曲です。

― 続いて、8曲目「メロウ」について。木蓮堂の正木隆さんです。
正木:清水プロデューサーから、バラードをおねがいしますとの依頼があって、他のアイドル曲制作者を横目に見ながら、制作を開始しました。バラードの王道と言えば、ボディガードにおけるホイットニーや、ミーシャのエブリシング等が浮かぶびますが、木蓮堂のイメージからはほど遠い。究極のラブソングをとのオーダーではありますが、人魚の想いを歌うには、人間界での比喩表現や情景描写は使えない。そこで、楽曲や歌詞はシンプルに、アレンジはゴージャスにと方向を定める。
だが、ボーカルレコーディングに許された時間も短く、複雑な多重コーラス等、アレンジに凝ることは難しい(言い訳になりますが、木蓮堂の二人は、どちらもピアニストのような華麗な演奏は出来ないし、繊細なアルペジオも苦手である)。つくづく、こういう楽曲は、松中さん・菊池さんチームや、仲村屋さんのほうが断然向いていると、ふてくされ気味となる。
締切が近づき、プロデューサーに意見を聞くと、意外にもシンプルでもいいんじゃないですかと…。そんなわけで、ピアノに向かって最初のコードを弾いたら、あのメロウのモチーフが降りて来ました。誰かが海の底に向かって呼びかける、メロウ メロウ メロウ…。
― レコーディングについて。
正木:楽曲制作開始時から、なあちゃんのソロ曲と言われていたので、完全にあて書きをしました。いつもながらさすがの歌唱力で、一回歌ってもらったら、もうこれでいいんじゃない?って完成度でした。
ただ、なあちゃんはとても器用なので、仮歌通りに歌ってしまうというか、一歩間違うと和香のモノマネになってしまいそうで、それはどうしても避けたかった。仮歌をリスナーさんが聴くことはないし、あて書きしてるからそっくりでも問題ないとは言え、やはりなあちゃんの歌にして欲しかったし一番歌いやすい音域にもしてあげたかった。
そのために、サビを地声で歌えないかな?と提案したのだけれど(和香は超低音なので、仮歌はきれぎれの裏声…)、結果裏声のほうが切ないということで、キィは変更せずにすみました(♪会いたい〜 のところね)。
実は「Sha・la・la」の再録でも、ユッキーやりくなさんのように歌ってくれたので、そこはなあちゃんっぽく自由にやってよと言わせてもらいました。
― 楽曲制作のこだわり、アピールポイントをお聞かせください。
正木:木蓮堂の提供楽曲は、ほぼすべてがmaj7と言う和音から始まります。ちなみに「メロウ」はFmaj7ですが、この和音はFというメジャーの和音と、Amというマイナーの和音の構成音、ファ ラ ド ミで出来ています。つまり、マイナーとメジャー、両方の性格を持っており、悪く言えばどっちつかずで、曲想も半終止が多く、なかなかすっきりとは解決しない…。
それゆえプロデューサーからは、盛り上がりに欠けるといつも苦言を言われておりますが、単純にそういう趣味であるのと、人間とはそういうものではないのかな?と思うのです。
ひたすら明るく輝いているアイドル達の、悩みや苦悩、迷いなどが表現出来たならといつも思っています。
清水:いつも「プロデュ―サ―に苦言を言われ・・・」と言われちゃうんですが、全然苦言なんて言ってないですよ〜。今回も、アルバムの中で唯一のバラードになるので、“王道バラード”“究極のラブソング”とだけお願いして、あとはお任せでした。
メロディも木蓮堂節な転調感とかメジャーセブン感満載で、アナログシンセ的なシンセやストリングスの音色も相変わらずいいですね。それに、イントロのモチーフが印象的で、聴いてすぐイメージが広がって「Introduction」のバッキングもあっという間にできましたね。
説明するまでもないですが、ストーリー上では、メロウが初めてステージに立って歌う曲という設定です。

― 続いて、9曲目「Instrumental」について。
清水:先ほどお話しした通り、前曲「メロウ」のモチーフを使って作りました。コンセプトアルバムとしての統一感を、冒頭の「Introduction」と組曲と、あと1ヶ所くらいインストゥルメンタルで入れたいなと思ってて、ちょうど中盤クライマックスの「メロウ」後で、さらに「メロウ」と次の「ムーンライトパレード」がどちらともピアノメインの曲なので1つクッションを入れたいってのもあって、ここに挟みました。後半に向けてちょっとひと休みというか、前曲「メロウ」の気持ちの高ぶりをちょっと鎮めてもらうという位置づけのトラックです。

― 続いて、10曲目「ムーンライトパーティ」について。作詞・作曲・編曲の仲村屋さんです。
仲村屋:当初、デモを送った段階で「物語の終盤、メロウが人間界を離れるシーン」というテーマで進めていく流れになったのですが、別アーティストさんの曲のサウンド感の方がそれに相応しい、ということになり仲村屋担当曲は「物語中盤、初ステージ後の少し浮かれた気分、輝く時間」というテーマに変更になりました。
少し切ない雰囲気が出てしまう癖もあり、ライブで映えるようなキラキラしたサウンドになるように苦労しました。ギターは普段仲良くしてくれている丸山さんにお願いしました。私のワガママに付き合って、とてもかっこいいギターを弾いていただきました。
この「ムーンライトパーティー」と作詞を担当した「ファンタジーメモリーズ」ともに仮歌を私が歌っていて、自分で歌っていて楽しかったので、ライブでもぜひ皆さん覚えて一緒に歌ってほしいですね。
― ボーカルレコーディングについて。
仲村屋:レコーディング後半ということもあり、テンポ良く進んだ印象です。プロデューサーの清水さんからの指示は特になく、私がやりたいようにやらせてもらいました。
ゆりあちゃんメインのこの曲は、彼女自身が持つ弾ける可愛さと、鼻にかかった甘えた声質が印象的でした。私の無茶ぶりにも頑張ってこたえて歌ってくれました。
― 楽曲制作のこだわり、アピールポイントについて。
仲村屋:実はコーラスを私が担当しています。うっすらですので気づいてもらえるかな…。また私自身がStar☆Tメンバーへ「こうなってくれたらいいな」という想いを込めました。みなさん、ぜひ、ライブで一緒に歌ってくださいね。
清水:仲村屋さんはピアノ弾き語りのイメージが強くて、曲もしっとり系が多いと思うので、今回のアイドル王道ってオーダーは苦労されたんじゃないかなと思います。デモの段階で「他の曲が打ち込みが多そうなので、生バンドっぽいアレンジでやりたい」とおっしゃっててOKしたんですが、最終的には生バンドともちょっと違う不思議な感じに仕上がったなという印象です。これまでのStar☆Tにはない感じで。

― 続いて、11曲目「夏をあげる」について。こちらは清水プロデュ―サ―の作詞・作曲・編曲ですね。
清水:夏の新曲として2曲先行発表する予定で、6月に菊池さんと深井さんに依頼したんですが、深井さんがお忙しくてちょっと夏には間に合わないということで、しょうがないもう1曲は自分で作るかと。本当は自分の曲はアルバムではやらないつもりだったんですけど。
菊池さんの曲のデモ到着を待って(「Only Shining Star」)、違う路線の曲がいいかな、と考えた時に、じゃあ水着やろうかという話も出て(Star☆Tは水着初披露でした)、それなら夏曲で、じゃあサザンオールスターズでって感じで、手癖のみで作っちゃったって感じです。シャッフルにして、「太陽は罪な奴」とかの路線ですね。
ミュージッククリップを水着で作ったんですが、ものすごい再生回数で「水着強えーな〜」って思いましたねぇ(笑)。「Only Shining Star」のミュージッククリップも同時に公開したんですが差ができちゃって(「Only Shining Star」もこれまでの曲よりは再生回数多いんですけどね)、菊池さんに申し訳なくて、、、。「Only〜」の方がミュージッククリップも断然作り込んでるんですけどね。
夏に公開したミュージッククリップ版とアルバム収録版では、バッキングアレンジは一緒ですが、歌は録り直してますし、微妙に違います。落ちサビもアルバム版は牧野凪紗1人で歌ってます。牧野はこれくらいのテンポ、音域が一番声に艶がでるんじゃないかと思います。
ストーリー上では、メロウが参加した海辺でのファン感謝祭で流れている曲という設定です。
(その4に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)

(その1からの続き)
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― 続いて、4曲目「純粋LOVE!」について。作詞・作曲・編曲の山下朋洋(うたれん ごり)さんです。
山下:今回の楽曲提供が自分としては初の楽曲提供になり、しかもアイドルの楽曲という事で最初は悩みました。自分が普段やっているジャンルとは全く違ったもので、それをアレンジも含めて作り上げる事が出来るのかという不安が強かったです。
イメージは王道のアイドル曲でしたが、製作を始めた時に一つヒントになるものが自分の中にある事に気付きました。
「アニソンみたいな感じでつくろう」
元々自分がアニメを好きでよく見ている事もあり、そのあたりを思い返して曲を書き出しました。リズムやメロディーを重ねていくうちに、聴いているお客さんに「こんな風に楽しめるんじゃないか?」というぼんやりとしたイメージも湧いてきました。
そうして曲を作り出した時、「これは作詞もやらせて欲しい」となり、清水さんに打診させて頂きました。作詞のテーマは決まっていたので、詩を書き出してからは早かったですね。「男の純愛」というか、愛するって恋人になるとか結婚するとか、そんな話だけじゃなく、片想いでも相手の幸せを誰よりも願う・・・そんな心も愛するって事だと思ったので。
デモを提出して、清水さんから一発OKを貰った時は本当にホッとしました。
― ボーカルレコーディングに参加された印象は?
山下:レコーディングに参加して思ったのは、Star☆Tのみんなの努力レベルが高いなって事ですね。きっと歌が得意な子ばかりではないと思うし、楽曲の歌唱構成も正直難しめに作ったんです。
そんな楽曲をレコーディング時間が1時間半しかない中で、それぞれがしっかりと聴き込んで今出来る最善を尽くしてくれた事が、何よりも嬉しかったです。あとは、メンバーが楽しそうにレコーディングをしている事も印象的でした。
― 「純粋LOVE!」の聴きどころは?
山下:今回提供させて頂いた「純粋LOVE!」は、歌詞にメッセージ性を持たせながらも、唄う側と聴く側が一体となって盛り上がれるように考えて構成させて頂きました。なので、Star☆Tとファンの皆さんが一体となって、思い思いに楽しんで頂ければ嬉しいです。
清水:うたれんさんは、Star☆TとともにWE LOVE とよたサポーターズってこともあってイベントなんかでお会いすることも多くて。昨年の秋からは、WE LOVE とよたサポーターズの配信番組も主導していただいてたりして。うたんれんさんはフォークデュオですし、アコースティックな印象があったので、提供曲もそういう感じかなと思ってたら、全然違う感じで、ものすごいいい意味で期待を裏切られまして、すぐOKの返事をさせてもらいました。他の曲は細かい要望言ったりしてますが、この曲はまったく修正要望してないです。
確かにこの曲実は音域が広くて、ラップもあったりして難しい曲なんですが、ごりさんはボーカルレッスンの先生もやられてるということで、色々レクチャーいただきながらなんとか歌入れできました。コーラスもごりさんにバッチリ入れてもらいました。
ストーリー上では、メロウをサポートするアイドルファンのシゲヲ目線の曲となってます。

― 続いて、5曲目「神様ONEGAi」について。作詞・作曲のFLC☆komugiさんです。
komugi:前々から私はStar☆Tに私達バンドFLCのオリジナル曲を歌って欲しいと思っていました(2015年4月のブログに野望として書かれてます)。「Night Drive」っていう遠距離の彼のところに車を飛ばしていく曲がありまして。豊田市といえば世界のトヨタ自動車ですもんね、そーいう繋がりもあって。あと「wish!」という曲。名鉄電車の三河線が背景にある曲なんですよ。電車に乗って、彼に告白しにいく曲なんです。キャッチーな2曲のどちらかを歌ってもらえたらなぁと思っていました。それでStar☆Tに曲を提供してる木蓮堂の正木さんに直接メールして気持ちを伝えたんですが、、、、「未発表曲じゃないと」と言われ、その時は断念したんです。
今回、豊田メンバーでアルバムを作成することになった時に思い出してもらえたのでしょうね (^^)ラッキー☆ 声をかけてもらいました。
制作日数が短いことや、現在ギターが海外赴任中で不在なので、バンドメンバーとの話し合いでは今回は見送ろうという流れになったのですが、私は「とりあえず曲作りしてみる!できたら参加しよう!!」とメンバーに無理を言いました。だからなんとしても間に合わせようと頑張りました。
王道のアイドル曲というテーマだったので私の中のアイドルを総動員して作曲をはじめました。会合の時にエフエムとよたの人がラジオの番組で使える曲があったら嬉しいな、、、とおっしゃってたので、まず「ラジオ」と言う言葉を入れようと。
女子高生の子が通学の時に毎日すれ違う男の子に恋してて想いを伝えたい!という曲が降りてきました。
デモの歌入れも可愛さ120%で頑張りましたww 
清水さんから卒業ソングでというテーマをいただき、今の「神様ONEGAi」の形になりました。ファンの皆さんは聴くと切なくなっちゃいますよね。悲しい卒業ではなく前向きな卒業の歌にしました。
Star☆Tの過去の曲のタイトルがちりばめられた歌詞は偶然と必然からできています。
あと清水さんからの提案のセリフスタート、ものすごくはまってて大好きです♪
― ボーカルレコーディングはいかがでしたか?
komugi:朝空詩珠紅ちゃんの初ソロ曲という記念すべき曲に選ばれてうれしかったです。レコで初対面だったんですが可愛くって!両手で握手したような気がしますww
スタジオに着いた時、別の曲の難しいコーラスを録音していて、Star☆Tのメンバーは歌がうまいなぁって思いました。
詩珠紅ちゃんもパワフルな歌声で堂々と歌ってくれて、とにかくあっという間に曲が出来上がりびっくりしました。
― 編曲担当のFLCリーダーのうっちーさんからもコメントいただきました。
うっちー:ふだん時間に余裕のある中でバンド曲の録音編集を行っているので、曲提供のお話を聞いた時は間に合うか心配でした。結果的に短期集中にて無事完全させる事が出来て、今回のアルバムに参加させてもらって大変良かったと思っております。
アレンジは試行錯誤しましたがギターサウンドもありFLCらしさが出せたかと思います。
― 楽曲のアピールポイント、聴いてる方へのメッセージを。
kumugi:昭和の絶対的アイドルが可愛く踊りながら歌っている感じにしました。卒業する子が新しい世界で頑張っていける、そしてファンのみなさんやメンバーが応援できるような曲です。Star☆Tの過去の曲のタイトルを探しながら聴いてみて下さい。
清水:3年前から提供のお話をいただいてたんですね、すみません、、、これまではあまり制作チームを広げないようにしてたので、、、。FLCさんは正木さんから豊田市民音楽祭の常連バンドで、実力あるからと紹介されまして。デモをいただいたら、最初からもう完成してたというか。今風の音色が入ったら、、、なんて要望もさせてもらったんですが、アレンジも職人技というか、隙もまったくないので、いややっぱりこのままでいきましょうってなりました。生バンドサウンドで、歌謡曲の匂いがあって、個人的には大好きです。実は朝空詩珠紅の歌よりも、komugiさんの仮歌の方が断然若くてアイドルでしたから(笑)、FLCのバンドバージョンをぜひ聞いてみたいですね。
朝空詩珠紅が初めてソロで歌ってます。バラード曲は牧野凪紗で決めてて、嶋ア友莉亜と朝空詩珠紅にソロ曲を割り振りたいなと思ってました。ソロ曲があるのもアルバムならではだと思います。
ストーリー上では、メロウがテレビで見るあるアイドルの卒業ソングという設定で、これを見てメロウが「アイドルになる」って誓います。

― 続いて、6曲目「Only Shining Star」について。作曲・編曲の菊池卓也さんです。
菊池:この曲のお話をいただいたのは去年(2017年)の6月くらいでしょうか。前回のシングルが出て割と早い段階でした。ちょうどこちらは、毎年6月下旬に神戸でデビュー記念ワンマンライブを行なっている松中啓憲の、初のレコ初ワンマンの準備をしている最中でした(松中のCDアルバムのレコーディング、またプレスの際はエンジニアの深井さんに大変お世話になりました!)。
なので、僕も神戸にしばらく滞在して、並行しながら曲の骨組みを作っていきました。
「前奏をどうするか?」これが最初に悩んだところです。まず前奏で掴んでおきたい!という気持ちが大きかったです。
ちょうどその頃僕自身が、8bit音楽(矩形波と呼ばれる、昔のファミコンのような荒い電子音を多用する曲、現代のテクノ系にもよく用いられます)にハマっていてよく聴いていました。で、音源を探していたら、「これだ!」という音色が見つかったので、あとは勢いで前奏をババーっと作りました。その音色は恐らく聴いた方なら嫌でも耳に付きますね(笑)。
「ハイブリッドガールU」以降、しばらくマイナー調な楽曲を作ってこなかったので「今回は全面マイナーで行こう」と思いAメロを組み立てていきます。清水Pから、いわゆる4つ打ちのノリ曲というオーダーは受けていたので、バスドラやスネアの音色を慎重に選んだ後はリズムなど思いつくままに作っていきました。そこでBメロからの展開をどうするか考えていた際に、松中がピアノでサラッと弾いたフレーズが儚げで良かったので、すぐに取り入れそのまま1コーラスは完成しました。
あとは繰り返し、という感じで一度Pにデモを送った際に「ダンスナンバーにしたいので、ダンスパートを加えたい、3拍子とか5拍子とか面白いかも」と返答があったので迷わず5拍子にしました。本当に面白いと感じたからですね。なんだかもうこのあたりから当初の「ノリ曲」という概念が頭から離れつつあります(笑)。
僕はもともとゲームっ子で、よく変拍子や5拍子のBGMなどを聴いて育った(?)ので、ダンスパートもゲーム感、緊張感のあるフレーズをこれまた思いつくままに打ち込んで作りました。
ちなみに松中にピアノを弾いて欲しいと頼んだところ「5拍子は馴染みが無いので上手く弾けない」と言われてしまったので、、このパートはピアノを含め全て自分で作りました。その後の落ちサビのピアノソロは「松中お得意のフレーズ」感が出ていて僕もとても良いと思い、そのまま取り入れました。
ギターも入れたらもっとカッコ良くなるかなぁとも思いましたが、Bメロや落ちサビのピアノフレーズが儚げで美しく感じたので、ピアノを聴かせたい!と思い敢えてギターは入れませんでした。が、全体を通してメロウの悲壮感がより伝わる感じで、結果的に良かったなと思っています。
アルバム「メロウ」全体を通しても打ち曲でギターが全く入っていないのはこの曲だけですね。
― この曲のアピールポイント、聴きどころは?
菊池:何はともあれイントロですね。このフレーズが一音でも流れたら「Only Shining Starだ!」と思ってもらえたら嬉しい限りです。しつこいくらいにあのフレーズを、別トラックで重ねて擬似ディレイにしているくらいです。ベース音も含めて曲全体的に深めのリバーブをかけて、歌詞の世界観に合うようなスペーシーな雰囲気に仕上げてみました。
あとはやはり5拍子のダンスパートですね。変拍子の曲を持つアイドルも少なくないかと思いますが、ノリ曲の中でダンスパートだけはじっくり見る、というスタイルがお客さんの中でも何となくできているようなので、これはこれでアリなんだろうな、と興味深く感じています。
落ちサビのピアノソロも、儚さや切なさを感じさせるフレーズなので、聴き込んでいただけたら幸いです。
― ボーカルレコーディングについて。
菊池:7月の時は、スケジュール的に余裕があまりなく、レコーディングもスタジオではない場所で、さらに覚えたての曲を歌ってもらったので(嶋崎友莉亜さん作詞の譜割りや、歌詞を若干変更しながらのレコーディングでもあり)、ミュージッククリップのバージョンではやや荒削りな印象もあるかと思います。
アルバム制作の際に再レコーディングをした時は、すでにライブなど回数を重ねてメンバーも慣れてきたということもあり、割とすんなりと歌入れが出来たと思います。逆に言うと比較的サラッと歌っているので、PV版の荒削りな歌の方が悲壮感があるかも、なんて個人的に思ったり(笑)。
アルバムバージョンでは、Bメロの朝空詩珠紅さんとmisolaさんの掛け合いをミュージッククリップやライブ準拠にパンを左右に振ってあります。作詞の嶋崎さんと話し合い、掛け合いの中で、詩珠紅さんが2コーラス目では感情を亡くしたアンドロイドのような雰囲気になっている、という設定を伝え歌っていただきました。細かなニュアンスですが、聴いてくれた方に伝わってるといいなぁ、と思っています。
清水:菊池さん松中さんとのお付き合いも、Star☆Tデビュー当時からですから、もう6年になりますね〜。菊池さんはいつもこちらの意図を最大限汲み取っていただきつつ、新しい世界も提示してもらえるので、最初にデモを聴く時は安心感とワクワク感が混ざった感じで、絶大な信頼を寄せてます。
この曲も、昨年の6月の段階で「最終的にはアルバム収録するが夏に先行で発表したいので」とお願いしました。ただまだコンセプトアルバムとしてのストーリーはできてなかったので、「まあ、とりあえずライブで盛り上がる新曲をお願いします」といい加減な依頼で(笑)。なんだかんだいつも制作期間が短い中での依頼になってしまって申し訳ないんですが、この曲もハイテンポでライブばえする曲でありながら新しい世界感があって。つい「変拍子とか入れれませんか」って無茶ブリをしちゃいました。
先ほど言ったようにこの時点ではコンセプトアルバムとしてのストーリーはまだできてませんから、詞はとりあえず曲に合わせてという感じで、メンバーの嶋ア友莉亜が初めて作詞しました。菊池さんから届いた曲のデモを聞きながら「なんとなく宇宙っぽいというかセカイ系な歌詞がいいんじゃない?」くらいの相談で、あとはスルスルっと書いてきまして、そのまま採用でしたね。
内緒の話をしますと、コンセプトアルバムのストーリーが出来上がってそのストーリーに合わせるために歌詞を書き直す可能性もあるかもと思って、それで、先行の3曲(「Only Shining Star」「夏をあげる」「2021」)は身内で作詞したってのもありまして(「夏をあげる」「2021」は清水作詞)。お願いした詞をまた書き直してもらうのは申し訳ないので。でも、最終的には書き直しせずにすんだのでよかったです。
ストーリー上では、メロウが好きな人を街中で探しながら、星空を見て想いにふける場面に対応しています。
(その3に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)

Star☆T1stフルアルバム「メロウ」の楽曲について、プロデューサーのみなさんにお話しを伺いました。
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― まずは、トータルプロデュ―サ―の清水さんより本作の制作経緯をお聞きします。
清水:Star☆Tは5枚目シングル「ハイブリッドガール」以降大体1年に1枚のCDを発表してきました。毎年年度初頭に1年の計画とか目標を立てるんです。でも、2016年度は、多数のメンバーの退団もあったりして、計画が立てられない状況でした。計画どころかStar☆T自体存続できるかどうかという状況で。
しかし“アイドル王道”というコンセプトを掲げて、1曲ずつ新曲を作っていって、青SHUN学園のSHUNさんにも曲を作っていただいて、7枚目のシングル「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」を出すことができました。「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」は色んな意味でStar☆Tの中では特別な1枚になりました。
そんな中で2017年度の初頭には、アルバム制作の計画を立てることができました。「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」収録曲は“アイドル王道”として楽曲の評価もみなさんにいただけたと思いますし、真正面から楽曲やパフォーマンスで勝負するという意味での“王道”もさらに進めよう、次はアルバムだと、自然となりました。
それともう1つアルバムを発想した理由がありまして、Star☆Tはデビューの時から、楽曲制作も豊田の人材、豊田に関わりがある人材に依頼してきました。ここまで基本的には3〜4組で作ってきたんですが、5年活動する中で地元のミュージシャンや音楽制作者と多く知り合いまして、みなさんから「曲作りますよ」と言っていただいたりして、それならアルバムにしないと曲が収まらないなと。
地元のアーティストさんと知り合う中で、1つはこのアルバム制作に繋がり、もう1つは毎月2回豊田市駅前でStar☆TだけでやっていたミニライブをToyota Citizen Music Park〜豊田市民音楽広場〜にグレードアップして(2017年5月〜)ゲスト出演してもらうことに繋がってます。豊田という地方都市でのミュージックシーンというものを作っていきたいと思ってます、アイドルというジャンルにこだわらずに。
― なるほど、ということは“王道”と“オール豊田”というのは最初から決まっていたわけですね。
清水:そうですね。1stフルアルバムと言ってますが、実は6thシングル「モノクロームデイズ」は3タイプでカップリング曲違いで全部で10曲作ってますし、「restart」もミニアルバムとして7曲収録しましたので、曲数が多いことの不安はありませんでした。提供依頼するみなさんに実力があることはわかってましたし。
それで、まあ、年代が出ちゃうんですが、私は“アルバム至上主義”というか“アルバム作ってなんぼ”ってところで音楽聴いて育ってきましたので、やっぱりただ十数曲を集めただけのアルバムにはしたくないな、と。
さらに、Star☆Tはステージや他でも“物語”“ストーリー”を伝えていきたいってのもあって、映画やったり、5周年公演で芝居をやったりしてきたという流れもあったので、ここは“コンセプトアルバム”、アルバム全体でストーリーになっているアルバムにしようと。
― ここで、“アイドル王道”“オール豊田”“コンセプトアルバム”というのが揃ったわけですね。
清水:はい、この3つのコンセプトを最初に決めて、そこから進んでいった感じですね。

― それでは、具体的な制作の経緯をお聞かせください。
清水:時系列でいうと、まず2017年の夏に新曲をステージにおろしたいというのがあって、これまでにも楽曲提供いただいている菊池卓也さんと深井勇次さんに6月の時点で制作依頼をして、私も1曲作って、菊池さん松中さんコンビの「Only Shining Star」と清水の「夏をあげる」を7月に、深井さんの「2021」を10月に先行でステージにおろしました。
本格的にアルバム制作が動き出したのは9月で、まずは、10組の豊田のアーティストさんを集めて交流会(という名の飲み会)をしまして、正式に楽曲提供をお願いしました。ストーリー作りの依頼も豊田で活躍する劇作家のどうまえなおこさんに依頼したところで、まだストーリーはできてなかったので、楽曲制作のみなさんには、とりあえず“アイドル王道”の曲を作ってください、テーマはありません、ジャンルも問いません、歌詞も後でいいです、まずはライブばえする曲をお願いしますと、かなり無茶ブリをしまして(笑)。
― 短編小説の収録はどのような経緯で。
清水:コンセプトアルバムとしてアルバム全体で1つのストーリーを作ると言いつつ、各曲はアルバムのストーリーを離れても成立するようにしたいとも思ってまして、わかりやすくするために、短編小説をCDのブックレットに収録するというのもごく初期の段階で決めてました。最初からどうまえさんに頼むつもりで、どうまえさんなら、いい物語を書いてくれるだろうという見込みもありましたし。
どうまえさんとの打ち合わせでは、テーマはやっぱり“アイドル”になるなぁって話はしまして、でも内容はお任せしますって感じで。それで、どうまえさんから2つのストーリー案がきまして、その1つが人魚姫のモチーフで、いいじゃないですか、それでいきましょう、と。
― 楽曲とストーリーが同時進行で作られていったんですね。
清水:曲の方は、9月から1ヵ月を目処に曲のみのデモをみなさんに作っていただいて、10月にはストーリーの第1稿がどうまえさんから届いたので、ストーリーに合うように曲を並べてみて、各曲の詞のテーマや設定を決めまして、そこから今度は作詞の依頼をするという流れでした。作曲の方で詞もやりたいと言っていただいた方には作詞もそのまま依頼して、それ以外の曲は別の人に作詞を依頼して。ただ作詞もかなりざっぱな依頼で(笑)、例えば「純粋LOVE!」だと「アイドルファンの心意気的な、愛する人を陰で支える悲哀的な」とか、「アイ♡ワナ」だと「アイドルになりたい!アイドルって?的なアイドルの目線で」とか、それくらいのほわっとした依頼でした。今思うとほぼ丸投げですね、申し訳ないくらい(汗)。
ただ、ストーリーに寄せ過ぎて解釈の幅が狭くなるものなぁと思ってましたし、あまりこちらから設定や内容を指定しすぎると、バリエーションが貧しくなるというか、せっかく10組以上の制作者が関わってるんだから、ポリフォニックな、多層的なものにしたいな、できるだけ自由に作ってもらいたいなと思ってのことです。いろんなタイプの曲がある方が飽きないし、私はそういうアルバムの方が好きですしね。
― ここでほぼ楽曲も出そろって、ストーリーも見えてきたと。
清水:まだ何曲かできてない曲もありましたが、そうですね、11月頃には大分見えてきて、手ごたえも感じてました。実は全然曲がストーリーどおりに並ばなかったらどうしようとか、使えない曲があったらどうしようとか心配もあったんですが、それは杞憂でした。ボツにした曲もないですし、例えば曲タイトルもみなさんから上がってきたままですしね。構成や歌詞の細かな直しを依頼したり、逆に曲のデモをどうまえさんにフィードバックしてストーリーに組み込んでもらったりという作業をしつつ、12月のボーカルレコーディングに向けて完成させていきました。
12月に5日間かけてボーカルレコーディングをしました。曲ごとのボーカルの割り振りは、全体の流れや歌の実力をみつつ私がやりました。楽曲制作のみなさんにはレコーディングにも立ち会ってもらって、年末に終わって、それからミックス作業、年明けすぐにプレス入稿でしたので、楽曲提供のみなさん、ミックスの深井さんには、最後は年末年始返上で仕上げてもらった感じです。大変助かりました。
小説も第4稿まで書き直しをしてもらって、最後はちょっと字数がブックレットに収まらないってなってちょっと削ってもらったりして、こちらも年末ギリギリで完成しました。

― それでは、楽曲提供のみなさんにも入ってもらって、各曲についてお話を伺っていきます。まずは、1曲目「Introduction」について。
清水:実は、9月の楽曲依頼の時に木蓮堂さんにだけは「バラードを」とお願いしてまして、さらに曲を並べて作詞をお願いする段階で、バラード曲をアルバムの柱にしたい、タイトルも「メロウ」でお願いしたい、と。そのバラード曲のモチーフをちりばめて、コンセプトアルバム感を出したいというのは、曲順を並べるくらいで決めたと思います。朗読を入れるってのはどうまえさんの提案ですね、こういう感じどうですかって参考の曲を聞かせてくれたりして。
それで、木蓮堂さんから「メロウ」のデモがきて、印象的なイントロのフレーズを作ってくれていて、それを使って「Introduction」と「Instrumental」を作りました。で、小説の冒頭の部分に全体のテーマが出そろってるなと思って、ここを朗読にしようと。
今回アルバムで曲数が多いので、各曲でボーカルを割り振ってて、全メンバーが参加している曲はこれと最後の「2021」だけなんですよね。大体1センテンスずつ交代して朗読してますので、あまり差がなくスムーズに流れるように、感情を込めずに割とフラットに朗読してもらいました。棒読みにならないギリギリのところくらいで。
聴いてる人にも、ここで、グッとストーリーに入ってもらいたいなぁと思ってます。

― 続いて、2曲目の「恋するマーメイド」について。まずは作曲・編曲の藤村のりおさんに伺います。藤村さんはStar☆Tへの楽曲提供は初めてですね?
藤村:はい、もともとStar☆Tさんの楽曲には「気まぐれストーリー」「15センチ」でギター演奏で参加させていただいておりました。今回のメロウ制作の話を聞き、ぜひ楽曲から作りたいと思いコンペに参加させて頂きました。
まさか、採用していただけるとは思っていなかったので、Star☆Tさんに自分の作った曲を使っていただき、とても嬉しく思っています。
― 藤村さんはレコーディングエンジニアの深井さんとお知り合いで。
藤村:はい、深井氏とは10年以上仕事をさせていただいてます。残念ながら、ボーカルレコーディングは、スケジュールの都合上参加できなかったのですが、深井氏のことを信頼してますので、ディレクションはプロデューサーの清水さんと深井氏にお願いしました。次回また機会がありましたら、ボーカルレコーディングもぜひ参加したいと思っております。
― 「恋するマーメイド」を作る上でこだわった点は?
藤村:制作打ち合わせの時に、王道のアイドルソングというお話だったので、キャッチーなメロディ、耳に残るメロディを意識して作りました。Aメロは可愛らしさを出したかったので、音符を減らしています。一度聞いただけで、覚えやすい、口ずさんでしまう、そんな曲になっていたら嬉しいです。
まだ色々な感じの楽曲に挑戦したいので、また機会があればぜひ、参加させてください。バラードとかも得意です(笑)。
― ありがとうございます。続いて「恋するマーメイド」作詞のどうまえなおこさんです。
どうまえ:メロウの小説を書かせていただいたこともあり、アルバム1曲目の歌曲を作詞させていただきました。物語の始まりなので、まだ恋を知らないメロウが恋や愛を夢みるイメージで詞を作りました。曲のイメージから王道アイドルでいこうと思い、80年代90年代のアイドル曲を意識して作詞しました。
清水:藤村さんからのデモを聞いた時に「これぞアイドル王道だ!」ってなりましたね。現在のアイドル曲らしさはもちろん歌謡曲らしいキャッチ―さもあって。この曲をアルバムのオープニング、実質的な1曲目にするとすぐ決めまして、それなら歌詞も王道アイドル詞をストーリーを書いてくれているどうまえさんにお願いしようと。どうまえさんには1曲くらい作詞もしてもらいたいと思ってましたので。
この曲もアルバム発売前にステージで先行披露しました。いわばアルバムからのシングルカット曲という感じですね。

― 続いて、3曲目「愛を目指せ」について。作曲・編曲の西岡隼哉さんです。
西岡:最初イメージはアイドルで考えたのですが、メロウというコンセプトと素晴らしいストーリー読んで映像が浮かびました。その情景を思いながら他の素晴らしい作家さんとできるだけかぶらないよう独特なジャンルで制作を進めました。クラシック風POPといいますか、EDMといいますか、映画音楽風なジャンルで作り込んで行きましたね。
あらかじめキーを聞いていなくて、歌入れの時は歌えるか心配でした(笑)。
― こだわったところ、アピールポイントは?
西岡:一般にいうアイドル曲っぽくないような曲に仕上げたかったので、仕上がりを聞いた時は結構満足しました。情景の浮かぶような楽曲をぜひ楽しんでください。Star☆Tの活動をクリエイティブな部分でお手伝いできたことに大変感謝しています。
― 続いて「愛を目指せ」作詞の石黒さんから。
石黒:最初に西岡さんのデモを聴いた時、パワフルなというかとても前向きな楽曲だという印象を受けました。ライブだったら拳振り上げ盛り上がるのではと。そこで、主人公目線で、愛のため困難にも立ち向かう姿を詩にしたのですが、清水さんからは別の目線で、もっと哲学的なと言うか、荘厳な感じで、と言われまして…思い切って古い言い回しにしてみました。
ただ、目線は、聴く人によってどちらとも捉えられるようにしたつもりです。また、最初のパワフルなというイメージは壊したくなく、英語の歌詞の部分はほぼそのまま残した感じです。今回はあくまでストーリーに沿った歌詞だと思ったので、そこも意識したつもりです。愛を探す困難な旅に、敢えて旅立つ決意みたいなものが伝わっていればいいなと思います。
清水:西岡さんがクラシックを勉強されてきた方だとは聞いてまして、牧野凪紗のソロのプロジェクトもやっていただいたりしてて、バラードの作曲は知ってたんですが、今回激しめの曲ということでどんな感じでくるのかなと楽しみにしてたんです。で、デモを聴いたら「こう来るか!」と。これまでのStar☆Tにはない感じの曲をいただきました。
それで作詞は誰にお願いしようかとなりまして、詞もアイドル曲っぽくない方がいいなと。石黒さんとはもう知り合って10年くらい経ちますが、最近<TAG>というプロジェクトを一緒にしたり、1年前の5周年公演では芝居の演出をしていただいたりして、作詞も1曲お願いしたいなと。確かに最初いただいた歌詞は直しをお願いしまして、演劇界の石黒ファンには怒られそうですが、、、(汗)。でも、多分西岡さんが歌メロと想定してなかったところまで詞がついてたり、譜割りも独特な感じで攻めてましたね、若いです、石黒さん(笑)。私と同い年ですが。
ここでは、メロウが魔女と話すところ、愛についての話を聞く場面を想定しています。
(その2に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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