――セカンドマキシシングル全体のコンセプトはどうのようなものだったのでしょう?
まずは、2期生オーディションを5月にやって、夏前には新曲で合流させたいというのがありまして、それに、夏から秋にかけてのイベントシーズンを新曲で臨みたいというのもありましたから、夏にセカンドを出すというのをまず決めました。
ファーストの『この街に生まれたから』が、マイナーキーの曲だったんで、もっとアイドルっぽい曲も聞きたいって結構言われまして、まあ『この街〜』の路線はあえて狙ったということもあるんで、それはそれで面白いって声ももちろんあったんですが、セカンドは王道でアイドルっぽい感じにしたいというのはありました。
それと、曲数も多く入れたいうのもありました。デビューシングルは2曲収録だったんですが、それで1、000円いただくのはちょっと申し訳ないなってね。
それで、バリエーションを付ける意味でも、いろんな人に楽曲を依頼しようと。バラエティに富んだCDにしたいってのがコンセプトですね。
――それでは、1曲ずつ解説お願いします。まずは、CDタイトル曲『Dong!Dong!』から。
うちはとにかくボーカルがまだまだ弱いんで、ボーカルレッスンをしなければと思ってて、つてをたどって永澤先生という方にレッスンをお願いしたんですが、その方が作曲もされるということで、1曲手持ちの曲を提供してもいいと言ってくれまして。聞いたら、シャッフルでリズム感もよくて明るい感じの曲だったんで「これ、使わせてください」って即お願いしました。
詞は、『この街〜』を書いた伴野に依頼する手もあったんですが、ここでもバリエーションを出したいということで、新しい人に依頼したいなと。それで、とよた演劇アカデミーという演劇を勉強するところがあるんですが、そこの出身で、舞台脚本を書いていた宮本裕子さんを紹介してもらって依頼しました。宮本さんは今子育て中で、演劇の方はお休み中なんですが、歌詞なら書けるからやってみたいと言ってくれまして。
夏に発表するんで、豊田といえばおいでん花火だろうと。そのコンセプトは相談して最初に決めました。いくつかストーリーアイディアを出してもらったんですが、その中に、浴衣を着ていって、でも慣れない下駄が痛くて、かき氷も溶けちゃって・・・というのがあって、今の2番の歌詞の部分ですね、そこがすごく情景的にスっと浮かんできて、いい感じだったので、この路線でって感じで進めていきました。
歌詞を書くのにまだ慣れてないということで、細かいところはかなり相談して直しましたけど、サビのドンドンとかドキドキとかそういうキャッチーなフレーズとか、アイドルっぽくて、いい感じの詞を書いてもらったと思います。
――続いて『スタート〜神様には前髪しかない〜』について。
曲の依頼は、豊田で音響関係の仕事をしている正木隆さんに依頼しました。デビュー曲の録音のお手伝いもしてもらったりしていて、1曲お願いしますと。
コンセプトは、こっちもアイドル王道にしたいってことで、70〜80年代の歌謡曲路線でというオーダーをしました。キャンディーズとかね。
正木さんは、歌に負担がかからないようになるべく音域を狭くとか、歌いやすいメロディーとかそういう点も考慮して作ってくれました。イントロで、豊田では誰でも知ってる「おいでん」という曲のフレーズを入れてくれたりとか。本当は、モータウンなシャッフルビートの曲が作りたいなっておっしゃってたんですが『Dong!Dong!』がシャッフルでもう決まってたんで、すいません、違う曲調でって無理を言いました。
でも、アレンジの過程で「もっとギター入れちゃいましょうよ」とか2人で話しているうちにどんどんロックになっちゃいましたね。もともと2人ともロック畑なんで。低音をゴーンと効かせたい(笑)。ミックスでも「これじゃアイドル曲じゃないですよね」なんて言いながら、でも低音は下げないという。
詞は、これも宮本裕子さんです。Star☆Tのテーマ曲にしたいというのは当初からありましたから、シンプルで、前向きなメッセージ色を前面に出した詞をとオーダーしました。「神様には前髪しかない」というのはイタリアのことわざで、私は知らなかったんですが、宮本さんのアイディアです。インパクトがあって、メッセージ性もあって、採用しました。
――続いて『My Mother,MY father』について。
デビューシングルの『ひまわり』に続いて松中啓憲さんの曲です。これは、詞も曲も松中さんにお任せで依頼しました。『ひまわり』がいい曲だったので、信頼しきってですね。
お母さんとお父さんに、なかなか面と向かっては言えない「ありがとう」を歌で綴るという、メンバーの気持ちもすごく入りやすい曲をいただけました。うちは小学生から大人までメンバーの年齢層がかなり広いんですが、それぞれの年代で、それぞれの思いが乗せられる曲ですね。大事に歌って、スタンダードにしていきたい曲です。
――最後は『あなた探して矢作川』について。
どうもね、シャレというかパロディというか、面白いことしたいというのがどこかにありまして(笑)、いっこが42歳のアイドルってことで、大分話題にしてもらったので、いっこ用に演歌でという安易な企画です。こういうのは、清水伴野コンビでと。これまでは、ご当地ソングと言いつつあからさまな地名はあえてぼかしてきたんですが、演歌なんでもうふんだんに地名出しちゃえと。矢作川で1曲って感じで、楽しみながら作りました。『さよならファブリーズ』の延長ですね。
清水伴野コンビは、多分こういうのが一番得意ですね。「小指絡めて笹戸」とか「宵桜の水源」とかね。伴野は「”高速下りて畝部”ってところが一番気に入ってる」と言ってました(笑)。なんかもう意味わかんないと思いますが、私もそこが好きっていう感覚はなんかわかるという(笑)。
――それでは、最後にCDをお聞きのみなさんにメッセージを。
セカンドは、レコーディングやミックスもちゃんとスタジオでやらせてもらって、いい音で録れてますし、バラエティに富んだという当初のコンセプトは発揮できたかなと思ってますので、楽しんで聞いてもらえればと思います。
――ありがとうございました。