―― まずは、今回の「モノクロームデイズ」制作の経緯をお聞かせください。
清水:Star☆Tは、1つずつちょっとずつ階段を上がってきたグループで、5枚目の「ハイブリッドガール」ではじめて全国流通に乗せたんですが、ありがたいことに概ねいい評価をいただいて、6枚目は冬に出したいと思ってました。
ただ、そこには2つの思いがありまして、1つ目の思いは、アルバムを出したいなと。デビュー当時からちょっとした繋がりで、正木さん和香さん組と松中さん菊池さん組に楽曲を依頼してきて、そこに私を含めた3組体制でこれまでCDを作ってきました。基本はずうーっとこの3組で、約3年やってきて、Star☆T楽曲制作チームとしてもいい感じになってきたという手ごたえもあって、複数曲お願いしてアルバムにしてもちゃんとクオリティが出せるなと。
でも・・・、とここでもう1つの思いになるんですが、やっと前作で流通に乗せて、「ハイブリッドガール」はとりあえず流通に乗せてみる、全国発売をしてみるというのがまずはの目標だったんですが、いよいよ次はチャートインさせたいと。それなら、やっぱりシングルとしてチャートインしたいと。それで、みなさんにたくさん買っていただくには、複数タイプを作らないといけないかなぁ、とも思って、でも、ジャケット違いとか、1曲だけ違う曲が入ってるってだけで、違うタイプを買ってもらうのって申し訳ないなぁ、とこれまでも複数タイプってのはやらなかったんです。
で、ポン!と膝を叩きまして、それならリード曲以外は全部違う曲にして3タイプ出そうと。それなら4曲ずつ収録だと全部で10曲収録になる、よし、それで行こう、となったのが夏くらいですね。だから、「モノクロームデイズ」は形はシングルで、実質はアルバムという発想です。
―― なるほど、3タイプ揃えると10曲収録で、3,000円(税抜)と思うとアルバムですね。では、アルバムを想定してのトータルコンセプト、テーマのようなものはあったんでしょうか。
清水:ストーリー的なコンセプトは設定してません。でも、楽曲バリエーションとしては、これまでのコンセプトをより広げて、とにかくバラエティ豊かにしたいという気持ちはありました。これまでのコンセプトの集大成として、アルバムとしてこそ、そのコンセプトを貫きたいなと。で、実際ものすごいバラエティに富んだというか、本当に同じグループかというくらい色んなジャンルの曲が出来上がりました。
シングルだとこれまで大体4曲収録なので、あらかじめ「こんなイメージの曲を」と作曲オーダーの段階である程度ジャンルを絞ることが多いんですが、10曲となるとイメージしきれないんで「とりあえず好きに作ってみてください」という感じで。そうしたら本当にみなさん好きに作ってくれたというか(笑)。曲それぞれの説明は各曲の解説に譲りますが。
それと、これは事後的に見えてきたテーマなんですが、“続編”というか、あの曲があってのこの曲というような流れのようなものが全体にあります。今回だけでなく前作以前からの流れも含めて。楽曲については、自主制作の頃から妥協せずに作ってきた自負がありますし、これまでの楽曲からの繋がりみたいなものは全体としてありますね。
具体的に言うと、タイトルだけみれば「ハイブリッドガールU」がわかりやすいですけど、その他にもパート2的な曲が結構ありますし、これまでにないジャンルの曲なんだけど、こういう流れがあって今回収録されたという必然な曲もあったりします。
―― 制作の進み方はどのような感じだったのでしょうか。
清水:2014年の夏頃に3タイプ10曲収録にしようと決めて、正木さん和香さん、菊地さんと私が集まりまして、「10曲入れるんで何曲かお願いします」と。それで、1ヶ月後くらいにまた集まって、お互い作ってきた簡単なデモを聞いたりして、そこで採用になった曲もありますし、ちょっとこっちの方向の曲もやりましょうかと、新しい曲のアイディアも出し合ったりして、少しずつ全体が見えてきた感じですね。実はこうやって3組がちゃんと集まって話し合うのは初めてだったんですが、でも、かなりゆるい感じの話し合いでした(笑)。
9月末くらいで収録曲の候補はほぼ固まって、そこから詞をオーダーしたりして、11月上旬に2日かけてボーカルのレコーディング、順次ミックス、マスタリングを経て、今、プレスに音源を納品したばかりといったところです。レコーディングからミックス、マスタリングはセカンドシングルからずうーっとお願いしているVoxBoxStudioさんで行いました。豊田市内にあるスタジオです。
(続く)
インタビューは何回かに分けてお送りします。次回からは各曲についてお話しを聞いていきます。