※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html
― 続いて、4曲目「純粋LOVE!」について。作詞・作曲・編曲の山下朋洋(うたれん ごり)さんです。
山下:今回の楽曲提供が自分としては初の楽曲提供になり、しかもアイドルの楽曲という事で最初は悩みました。自分が普段やっているジャンルとは全く違ったもので、それをアレンジも含めて作り上げる事が出来るのかという不安が強かったです。
イメージは王道のアイドル曲でしたが、製作を始めた時に一つヒントになるものが自分の中にある事に気付きました。
「アニソンみたいな感じでつくろう」
元々自分がアニメを好きでよく見ている事もあり、そのあたりを思い返して曲を書き出しました。リズムやメロディーを重ねていくうちに、聴いているお客さんに「こんな風に楽しめるんじゃないか?」というぼんやりとしたイメージも湧いてきました。
そうして曲を作り出した時、「これは作詞もやらせて欲しい」となり、清水さんに打診させて頂きました。作詞のテーマは決まっていたので、詩を書き出してからは早かったですね。「男の純愛」というか、愛するって恋人になるとか結婚するとか、そんな話だけじゃなく、片想いでも相手の幸せを誰よりも願う・・・そんな心も愛するって事だと思ったので。
デモを提出して、清水さんから一発OKを貰った時は本当にホッとしました。
― ボーカルレコーディングに参加された印象は?
山下:レコーディングに参加して思ったのは、Star☆Tのみんなの努力レベルが高いなって事ですね。きっと歌が得意な子ばかりではないと思うし、楽曲の歌唱構成も正直難しめに作ったんです。
そんな楽曲をレコーディング時間が1時間半しかない中で、それぞれがしっかりと聴き込んで今出来る最善を尽くしてくれた事が、何よりも嬉しかったです。あとは、メンバーが楽しそうにレコーディングをしている事も印象的でした。
― 「純粋LOVE!」の聴きどころは?
山下:今回提供させて頂いた「純粋LOVE!」は、歌詞にメッセージ性を持たせながらも、唄う側と聴く側が一体となって盛り上がれるように考えて構成させて頂きました。なので、Star☆Tとファンの皆さんが一体となって、思い思いに楽しんで頂ければ嬉しいです。
清水:うたれんさんは、Star☆TとともにWE LOVE とよたサポーターズってこともあってイベントなんかでお会いすることも多くて。昨年の秋からは、WE LOVE とよたサポーターズの配信番組も主導していただいてたりして。うたんれんさんはフォークデュオですし、アコースティックな印象があったので、提供曲もそういう感じかなと思ってたら、全然違う感じで、ものすごいいい意味で期待を裏切られまして、すぐOKの返事をさせてもらいました。他の曲は細かい要望言ったりしてますが、この曲はまったく修正要望してないです。
確かにこの曲実は音域が広くて、ラップもあったりして難しい曲なんですが、ごりさんはボーカルレッスンの先生もやられてるということで、色々レクチャーいただきながらなんとか歌入れできました。コーラスもごりさんにバッチリ入れてもらいました。
ストーリー上では、メロウをサポートするアイドルファンのシゲヲ目線の曲となってます。
― 続いて、5曲目「神様ONEGAi」について。作詞・作曲のFLC☆komugiさんです。
komugi:前々から私はStar☆Tに私達バンドFLCのオリジナル曲を歌って欲しいと思っていました(2015年4月のブログに野望として書かれてます)。「Night Drive」っていう遠距離の彼のところに車を飛ばしていく曲がありまして。豊田市といえば世界のトヨタ自動車ですもんね、そーいう繋がりもあって。あと「wish!」という曲。名鉄電車の三河線が背景にある曲なんですよ。電車に乗って、彼に告白しにいく曲なんです。キャッチーな2曲のどちらかを歌ってもらえたらなぁと思っていました。それでStar☆Tに曲を提供してる木蓮堂の正木さんに直接メールして気持ちを伝えたんですが、、、、「未発表曲じゃないと」と言われ、その時は断念したんです。
今回、豊田メンバーでアルバムを作成することになった時に思い出してもらえたのでしょうね (^^)ラッキー☆ 声をかけてもらいました。
制作日数が短いことや、現在ギターが海外赴任中で不在なので、バンドメンバーとの話し合いでは今回は見送ろうという流れになったのですが、私は「とりあえず曲作りしてみる!できたら参加しよう!!」とメンバーに無理を言いました。だからなんとしても間に合わせようと頑張りました。
王道のアイドル曲というテーマだったので私の中のアイドルを総動員して作曲をはじめました。会合の時にエフエムとよたの人がラジオの番組で使える曲があったら嬉しいな、、、とおっしゃってたので、まず「ラジオ」と言う言葉を入れようと。
女子高生の子が通学の時に毎日すれ違う男の子に恋してて想いを伝えたい!という曲が降りてきました。
デモの歌入れも可愛さ120%で頑張りましたww
清水さんから卒業ソングでというテーマをいただき、今の「神様ONEGAi」の形になりました。ファンの皆さんは聴くと切なくなっちゃいますよね。悲しい卒業ではなく前向きな卒業の歌にしました。
Star☆Tの過去の曲のタイトルがちりばめられた歌詞は偶然と必然からできています。
あと清水さんからの提案のセリフスタート、ものすごくはまってて大好きです♪
― ボーカルレコーディングはいかがでしたか?
komugi:朝空詩珠紅ちゃんの初ソロ曲という記念すべき曲に選ばれてうれしかったです。レコで初対面だったんですが可愛くって!両手で握手したような気がしますww
スタジオに着いた時、別の曲の難しいコーラスを録音していて、Star☆Tのメンバーは歌がうまいなぁって思いました。
詩珠紅ちゃんもパワフルな歌声で堂々と歌ってくれて、とにかくあっという間に曲が出来上がりびっくりしました。
― 編曲担当のFLCリーダーのうっちーさんからもコメントいただきました。
うっちー:ふだん時間に余裕のある中でバンド曲の録音編集を行っているので、曲提供のお話を聞いた時は間に合うか心配でした。結果的に短期集中にて無事完全させる事が出来て、今回のアルバムに参加させてもらって大変良かったと思っております。
アレンジは試行錯誤しましたがギターサウンドもありFLCらしさが出せたかと思います。
― 楽曲のアピールポイント、聴いてる方へのメッセージを。
kumugi:昭和の絶対的アイドルが可愛く踊りながら歌っている感じにしました。卒業する子が新しい世界で頑張っていける、そしてファンのみなさんやメンバーが応援できるような曲です。Star☆Tの過去の曲のタイトルを探しながら聴いてみて下さい。
清水:3年前から提供のお話をいただいてたんですね、すみません、、、これまではあまり制作チームを広げないようにしてたので、、、。FLCさんは正木さんから豊田市民音楽祭の常連バンドで、実力あるからと紹介されまして。デモをいただいたら、最初からもう完成してたというか。今風の音色が入ったら、、、なんて要望もさせてもらったんですが、アレンジも職人技というか、隙もまったくないので、いややっぱりこのままでいきましょうってなりました。生バンドサウンドで、歌謡曲の匂いがあって、個人的には大好きです。実は朝空詩珠紅の歌よりも、komugiさんの仮歌の方が断然若くてアイドルでしたから(笑)、FLCのバンドバージョンをぜひ聞いてみたいですね。
朝空詩珠紅が初めてソロで歌ってます。バラード曲は牧野凪紗で決めてて、嶋ア友莉亜と朝空詩珠紅にソロ曲を割り振りたいなと思ってました。ソロ曲があるのもアルバムならではだと思います。
ストーリー上では、メロウがテレビで見るあるアイドルの卒業ソングという設定で、これを見てメロウが「アイドルになる」って誓います。
― 続いて、6曲目「Only Shining Star」について。作曲・編曲の菊池卓也さんです。
菊池:この曲のお話をいただいたのは去年(2017年)の6月くらいでしょうか。前回のシングルが出て割と早い段階でした。ちょうどこちらは、毎年6月下旬に神戸でデビュー記念ワンマンライブを行なっている松中啓憲の、初のレコ初ワンマンの準備をしている最中でした(松中のCDアルバムのレコーディング、またプレスの際はエンジニアの深井さんに大変お世話になりました!)。
なので、僕も神戸にしばらく滞在して、並行しながら曲の骨組みを作っていきました。
「前奏をどうするか?」これが最初に悩んだところです。まず前奏で掴んでおきたい!という気持ちが大きかったです。
ちょうどその頃僕自身が、8bit音楽(矩形波と呼ばれる、昔のファミコンのような荒い電子音を多用する曲、現代のテクノ系にもよく用いられます)にハマっていてよく聴いていました。で、音源を探していたら、「これだ!」という音色が見つかったので、あとは勢いで前奏をババーっと作りました。その音色は恐らく聴いた方なら嫌でも耳に付きますね(笑)。
「ハイブリッドガールU」以降、しばらくマイナー調な楽曲を作ってこなかったので「今回は全面マイナーで行こう」と思いAメロを組み立てていきます。清水Pから、いわゆる4つ打ちのノリ曲というオーダーは受けていたので、バスドラやスネアの音色を慎重に選んだ後はリズムなど思いつくままに作っていきました。そこでBメロからの展開をどうするか考えていた際に、松中がピアノでサラッと弾いたフレーズが儚げで良かったので、すぐに取り入れそのまま1コーラスは完成しました。
あとは繰り返し、という感じで一度Pにデモを送った際に「ダンスナンバーにしたいので、ダンスパートを加えたい、3拍子とか5拍子とか面白いかも」と返答があったので迷わず5拍子にしました。本当に面白いと感じたからですね。なんだかもうこのあたりから当初の「ノリ曲」という概念が頭から離れつつあります(笑)。
僕はもともとゲームっ子で、よく変拍子や5拍子のBGMなどを聴いて育った(?)ので、ダンスパートもゲーム感、緊張感のあるフレーズをこれまた思いつくままに打ち込んで作りました。
ちなみに松中にピアノを弾いて欲しいと頼んだところ「5拍子は馴染みが無いので上手く弾けない」と言われてしまったので、、このパートはピアノを含め全て自分で作りました。その後の落ちサビのピアノソロは「松中お得意のフレーズ」感が出ていて僕もとても良いと思い、そのまま取り入れました。
ギターも入れたらもっとカッコ良くなるかなぁとも思いましたが、Bメロや落ちサビのピアノフレーズが儚げで美しく感じたので、ピアノを聴かせたい!と思い敢えてギターは入れませんでした。が、全体を通してメロウの悲壮感がより伝わる感じで、結果的に良かったなと思っています。
アルバム「メロウ」全体を通しても打ち曲でギターが全く入っていないのはこの曲だけですね。
― この曲のアピールポイント、聴きどころは?
菊池:何はともあれイントロですね。このフレーズが一音でも流れたら「Only Shining Starだ!」と思ってもらえたら嬉しい限りです。しつこいくらいにあのフレーズを、別トラックで重ねて擬似ディレイにしているくらいです。ベース音も含めて曲全体的に深めのリバーブをかけて、歌詞の世界観に合うようなスペーシーな雰囲気に仕上げてみました。
あとはやはり5拍子のダンスパートですね。変拍子の曲を持つアイドルも少なくないかと思いますが、ノリ曲の中でダンスパートだけはじっくり見る、というスタイルがお客さんの中でも何となくできているようなので、これはこれでアリなんだろうな、と興味深く感じています。
落ちサビのピアノソロも、儚さや切なさを感じさせるフレーズなので、聴き込んでいただけたら幸いです。
― ボーカルレコーディングについて。
菊池:7月の時は、スケジュール的に余裕があまりなく、レコーディングもスタジオではない場所で、さらに覚えたての曲を歌ってもらったので(嶋崎友莉亜さん作詞の譜割りや、歌詞を若干変更しながらのレコーディングでもあり)、ミュージッククリップのバージョンではやや荒削りな印象もあるかと思います。
アルバム制作の際に再レコーディングをした時は、すでにライブなど回数を重ねてメンバーも慣れてきたということもあり、割とすんなりと歌入れが出来たと思います。逆に言うと比較的サラッと歌っているので、PV版の荒削りな歌の方が悲壮感があるかも、なんて個人的に思ったり(笑)。
アルバムバージョンでは、Bメロの朝空詩珠紅さんとmisolaさんの掛け合いをミュージッククリップやライブ準拠にパンを左右に振ってあります。作詞の嶋崎さんと話し合い、掛け合いの中で、詩珠紅さんが2コーラス目では感情を亡くしたアンドロイドのような雰囲気になっている、という設定を伝え歌っていただきました。細かなニュアンスですが、聴いてくれた方に伝わってるといいなぁ、と思っています。
清水:菊池さん松中さんとのお付き合いも、Star☆Tデビュー当時からですから、もう6年になりますね〜。菊池さんはいつもこちらの意図を最大限汲み取っていただきつつ、新しい世界も提示してもらえるので、最初にデモを聴く時は安心感とワクワク感が混ざった感じで、絶大な信頼を寄せてます。
この曲も、昨年の6月の段階で「最終的にはアルバム収録するが夏に先行で発表したいので」とお願いしました。ただまだコンセプトアルバムとしてのストーリーはできてなかったので、「まあ、とりあえずライブで盛り上がる新曲をお願いします」といい加減な依頼で(笑)。なんだかんだいつも制作期間が短い中での依頼になってしまって申し訳ないんですが、この曲もハイテンポでライブばえする曲でありながら新しい世界感があって。つい「変拍子とか入れれませんか」って無茶ブリをしちゃいました。
先ほど言ったようにこの時点ではコンセプトアルバムとしてのストーリーはまだできてませんから、詞はとりあえず曲に合わせてという感じで、メンバーの嶋ア友莉亜が初めて作詞しました。菊池さんから届いた曲のデモを聞きながら「なんとなく宇宙っぽいというかセカイ系な歌詞がいいんじゃない?」くらいの相談で、あとはスルスルっと書いてきまして、そのまま採用でしたね。
内緒の話をしますと、コンセプトアルバムのストーリーが出来上がってそのストーリーに合わせるために歌詞を書き直す可能性もあるかもと思って、それで、先行の3曲(「Only Shining Star」「夏をあげる」「2021」)は身内で作詞したってのもありまして(「夏をあげる」「2021」は清水作詞)。お願いした詞をまた書き直してもらうのは申し訳ないので。でも、最終的には書き直しせずにすんだのでよかったです。
ストーリー上では、メロウが好きな人を街中で探しながら、星空を見て想いにふける場面に対応しています。
(その3に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)