※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html
― 続いて、7曲目「アイ♡ワナ」について。作曲のGENTさんです。
GENT:曲の依頼の時に4つ打ちの曲でお願いしますとのことでしたので、4つ打ちであることと誰もが覚えやすくキャッチーなメロディーというところを意識しました。ある日、車を運転してたらメロディーとイメージが湧いてきたので、コンビニに車を止めてボイスメモに残しまして、そこが始まりです。
その後、僕がフルコーラスデモを作ったんですが、イマイチ自分なりにしっくり来なくて、もっと良くならないかと僕の先輩にあたる俊太さんに相談をしたところ、シンセ等全て差し替えてもらいました。しかもデモを送っただけなのにイメージ通りになりました。
― ボーカルレコーディングについて。
GENT:主に歌っているメンバーがmisolaちゃん、ゆりあちゃん、なぁちゃん、く〜ぴょんで、サビで斉藤さんとみおんちゃんに入ってもらって、この曲のみ僕がRecエンジニアをやらせてもらいましたが、若いパワーをもらいました(笑)。タイトなスケジュールの中彼女たちもがんばってたので自分も頑張らなあかんなと。
落ちサビは misolaちゃんに歌ってもらいましたが、レコーディングのときに「いいテイク録れたらソロで使われるかもしれないからがんばってね」と偉そうなことを言ったのですが(笑)、彼女も「がんばります!」と凄く張り切ってくれました。その結果いいテイクが録れましたし、misolaちゃん自身も初めてのソロだったと思うのでとても喜んでくれてましたね。
― こだわったところ、アピールポイントは?
GENT:Star☆Tはダンスが魅力的なので、間奏にライブでダンスパフォーマンスが出来るようなアレンジを入れました。間奏の後半は僕がギタリストでもあるのでギターソロを入れたのですが、あれ実はデモ用の仮のソロのつもりだったんです。でも、自分でもかっこよく出来たなと思ったのでそのまま採用しました。どうでもいいかもしれませんが特に最後のビブラート、あれこだわりです(笑)。
でも一番のアピールポイントはやっぱりみんなが歌えて覚えやすいキャッチーなメロディーです。振り付けも皆んなで踊れるような感じみたいなので、ライブでは是非皆んなで踊って歌って楽しんで頂ければと思います。
― 続いて「アイ♡ワナ」作詞の伴野紀子さんです。
伴野:GENTさんのデモを何度か聴くうちに、サビの頭部分に「I wanna」という言葉がハマって、そこから全体に広げていく感じで書きました。清水さんの要望などで、細かく何度か修正はしましたが、サビの「I wanna 〜」の部分は、最初から全く揺らがなかったです。なので、タイトルもここからすんなりと決まりました。
「ユーロビートの洋楽に、無理くり邦題を付けてちょっとダサくなっちゃった感じがいい」と、清水さんからお褒めの(?)言葉もいただきました(笑)。
この曲をたくさんの人に聴いていただいて、日常のふとした瞬間に思わず口ずさんだりしてくださったら嬉しいです。LIVEでは可愛くてカッコイイ感じになると勝手に予想しています。思わず一緒に踊ったりしてくださったら嬉しいです。
清水:「アイドル王道曲を」というオーダーにもっともストレートに応えていただいたのは「恋するマーメイド」とこの「アイ♡ワナ」ですね。かつ「アイ♡ワナ」はStar☆Tにはこれまでなかったタイプ、ユーロビート感も漂う曲なので、これからライブでもヘビロテさせたいです。
作詞の伴野さんはデビュー曲から何曲も詞をつけてもらってますが、今回結構久しぶりの依頼になってしまいました。「モノクロームデイズ」の時以来かな?タイトルについて確かに「ダサい感じがいい」って言いました、、、もちろん誉め言葉です。「ロックバルーンは99」とか「ウキウキウェイクミーアップ」とか「ハイスクールはダンステリア」とか、当時はなんでそんな邦題つけちゃうの?って思ってましたけど、今となると懐かしい、、、。もう今邦題ってつけないですよね、つければいいのに。
話がそれました、えーと、ストーリー上は、メロウやまわりのアイドル目線の曲、アイドルとは?な設定の曲です。
― 続いて、8曲目「メロウ」について。木蓮堂の正木隆さんです。
正木:清水プロデューサーから、バラードをおねがいしますとの依頼があって、他のアイドル曲制作者を横目に見ながら、制作を開始しました。バラードの王道と言えば、ボディガードにおけるホイットニーや、ミーシャのエブリシング等が浮かぶびますが、木蓮堂のイメージからはほど遠い。究極のラブソングをとのオーダーではありますが、人魚の想いを歌うには、人間界での比喩表現や情景描写は使えない。そこで、楽曲や歌詞はシンプルに、アレンジはゴージャスにと方向を定める。
だが、ボーカルレコーディングに許された時間も短く、複雑な多重コーラス等、アレンジに凝ることは難しい(言い訳になりますが、木蓮堂の二人は、どちらもピアニストのような華麗な演奏は出来ないし、繊細なアルペジオも苦手である)。つくづく、こういう楽曲は、松中さん・菊池さんチームや、仲村屋さんのほうが断然向いていると、ふてくされ気味となる。
締切が近づき、プロデューサーに意見を聞くと、意外にもシンプルでもいいんじゃないですかと…。そんなわけで、ピアノに向かって最初のコードを弾いたら、あのメロウのモチーフが降りて来ました。誰かが海の底に向かって呼びかける、メロウ メロウ メロウ…。
― レコーディングについて。
正木:楽曲制作開始時から、なあちゃんのソロ曲と言われていたので、完全にあて書きをしました。いつもながらさすがの歌唱力で、一回歌ってもらったら、もうこれでいいんじゃない?って完成度でした。
ただ、なあちゃんはとても器用なので、仮歌通りに歌ってしまうというか、一歩間違うと和香のモノマネになってしまいそうで、それはどうしても避けたかった。仮歌をリスナーさんが聴くことはないし、あて書きしてるからそっくりでも問題ないとは言え、やはりなあちゃんの歌にして欲しかったし一番歌いやすい音域にもしてあげたかった。
そのために、サビを地声で歌えないかな?と提案したのだけれど(和香は超低音なので、仮歌はきれぎれの裏声…)、結果裏声のほうが切ないということで、キィは変更せずにすみました(♪会いたい〜 のところね)。
実は「Sha・la・la」の再録でも、ユッキーやりくなさんのように歌ってくれたので、そこはなあちゃんっぽく自由にやってよと言わせてもらいました。
― 楽曲制作のこだわり、アピールポイントをお聞かせください。
正木:木蓮堂の提供楽曲は、ほぼすべてがmaj7と言う和音から始まります。ちなみに「メロウ」はFmaj7ですが、この和音はFというメジャーの和音と、Amというマイナーの和音の構成音、ファ ラ ド ミで出来ています。つまり、マイナーとメジャー、両方の性格を持っており、悪く言えばどっちつかずで、曲想も半終止が多く、なかなかすっきりとは解決しない…。
それゆえプロデューサーからは、盛り上がりに欠けるといつも苦言を言われておりますが、単純にそういう趣味であるのと、人間とはそういうものではないのかな?と思うのです。
ひたすら明るく輝いているアイドル達の、悩みや苦悩、迷いなどが表現出来たならといつも思っています。
清水:いつも「プロデュ―サ―に苦言を言われ・・・」と言われちゃうんですが、全然苦言なんて言ってないですよ〜。今回も、アルバムの中で唯一のバラードになるので、“王道バラード”“究極のラブソング”とだけお願いして、あとはお任せでした。
メロディも木蓮堂節な転調感とかメジャーセブン感満載で、アナログシンセ的なシンセやストリングスの音色も相変わらずいいですね。それに、イントロのモチーフが印象的で、聴いてすぐイメージが広がって「Introduction」のバッキングもあっという間にできましたね。
説明するまでもないですが、ストーリー上では、メロウが初めてステージに立って歌う曲という設定です。
― 続いて、9曲目「Instrumental」について。
清水:先ほどお話しした通り、前曲「メロウ」のモチーフを使って作りました。コンセプトアルバムとしての統一感を、冒頭の「Introduction」と組曲と、あと1ヶ所くらいインストゥルメンタルで入れたいなと思ってて、ちょうど中盤クライマックスの「メロウ」後で、さらに「メロウ」と次の「ムーンライトパレード」がどちらともピアノメインの曲なので1つクッションを入れたいってのもあって、ここに挟みました。後半に向けてちょっとひと休みというか、前曲「メロウ」の気持ちの高ぶりをちょっと鎮めてもらうという位置づけのトラックです。
― 続いて、10曲目「ムーンライトパーティ」について。作詞・作曲・編曲の仲村屋さんです。
仲村屋:当初、デモを送った段階で「物語の終盤、メロウが人間界を離れるシーン」というテーマで進めていく流れになったのですが、別アーティストさんの曲のサウンド感の方がそれに相応しい、ということになり仲村屋担当曲は「物語中盤、初ステージ後の少し浮かれた気分、輝く時間」というテーマに変更になりました。
少し切ない雰囲気が出てしまう癖もあり、ライブで映えるようなキラキラしたサウンドになるように苦労しました。ギターは普段仲良くしてくれている丸山さんにお願いしました。私のワガママに付き合って、とてもかっこいいギターを弾いていただきました。
この「ムーンライトパーティー」と作詞を担当した「ファンタジーメモリーズ」ともに仮歌を私が歌っていて、自分で歌っていて楽しかったので、ライブでもぜひ皆さん覚えて一緒に歌ってほしいですね。
― ボーカルレコーディングについて。
仲村屋:レコーディング後半ということもあり、テンポ良く進んだ印象です。プロデューサーの清水さんからの指示は特になく、私がやりたいようにやらせてもらいました。
ゆりあちゃんメインのこの曲は、彼女自身が持つ弾ける可愛さと、鼻にかかった甘えた声質が印象的でした。私の無茶ぶりにも頑張ってこたえて歌ってくれました。
― 楽曲制作のこだわり、アピールポイントについて。
仲村屋:実はコーラスを私が担当しています。うっすらですので気づいてもらえるかな…。また私自身がStar☆Tメンバーへ「こうなってくれたらいいな」という想いを込めました。みなさん、ぜひ、ライブで一緒に歌ってくださいね。
清水:仲村屋さんはピアノ弾き語りのイメージが強くて、曲もしっとり系が多いと思うので、今回のアイドル王道ってオーダーは苦労されたんじゃないかなと思います。デモの段階で「他の曲が打ち込みが多そうなので、生バンドっぽいアレンジでやりたい」とおっしゃっててOKしたんですが、最終的には生バンドともちょっと違う不思議な感じに仕上がったなという印象です。これまでのStar☆Tにはない感じで。
― 続いて、11曲目「夏をあげる」について。こちらは清水プロデュ―サ―の作詞・作曲・編曲ですね。
清水:夏の新曲として2曲先行発表する予定で、6月に菊池さんと深井さんに依頼したんですが、深井さんがお忙しくてちょっと夏には間に合わないということで、しょうがないもう1曲は自分で作るかと。本当は自分の曲はアルバムではやらないつもりだったんですけど。
菊池さんの曲のデモ到着を待って(「Only Shining Star」)、違う路線の曲がいいかな、と考えた時に、じゃあ水着やろうかという話も出て(Star☆Tは水着初披露でした)、それなら夏曲で、じゃあサザンオールスターズでって感じで、手癖のみで作っちゃったって感じです。シャッフルにして、「太陽は罪な奴」とかの路線ですね。
ミュージッククリップを水着で作ったんですが、ものすごい再生回数で「水着強えーな〜」って思いましたねぇ(笑)。「Only Shining Star」のミュージッククリップも同時に公開したんですが差ができちゃって(「Only Shining Star」もこれまでの曲よりは再生回数多いんですけどね)、菊池さんに申し訳なくて、、、。「Only〜」の方がミュージッククリップも断然作り込んでるんですけどね。
夏に公開したミュージッククリップ版とアルバム収録版では、バッキングアレンジは一緒ですが、歌は録り直してますし、微妙に違います。落ちサビもアルバム版は牧野凪紗1人で歌ってます。牧野はこれくらいのテンポ、音域が一番声に艶がでるんじゃないかと思います。
ストーリー上では、メロウが参加した海辺でのファン感謝祭で流れている曲という設定です。
(その4に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)