2018年03月08日

【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その4(12「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)

(その3からの続き)
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― 続いて、12曲目「ファンタジーメモリーズ」について。作曲・編曲の菊池卓也さん、作詞の仲村屋さん、ギターを演奏されたGENTさんです。
菊池:豊田を中心に活動されているミュージシャンを集めての交流会が行われた席で、仲村屋さんやGENTさんと交流を持つきっかけにもなりました。その際に僕が「3連譜を押し出した曲(いわゆる音頭調)もあったらバリエーションが増えますね〜」と周りの人に言っていた気がします(覚えている方は少ないと思われますが…笑)。個人的にはその方向性でいこう、とその日から考え曲想をあれこれ考えていました。
「Only Shining Star」の件でもお話ししたように、僕は昔からゲームっ子だったので、某有名ファンタジーなシューティングゲーム(ベルを打つやつ 笑)のBGMが曲調、進行がとても好きだったので、そのようなファンタジックな曲を一度作ってみたい、という気持ちもありました(「Only Shining Star」も別の有名シューティングゲームからインスパイアされています)。
いざ曲を作り始めると、イントロ後に全然曲調の違うフレーズがいつの間にか出来てしまっていました。「あれ、なんでだろう?」と一度は思いましたが、こう言う混ぜこぜの感じも悪くないな、と思いそのままモチーフとして曲に絡めていくことにしました。
いわゆるバロック調と呼ばれる古典音楽のジャンルですね。チェンバロとかがとても合います。なんかもうアイドル王道曲とか既に頭にありません。やはりどこかの別のゲームから出てきたんだろうな、と今は反省しています(笑)。
そのままの勢いで作ったら、間奏はさらに壮大なバロック調にしよう!と、もう止まりませんでした。全体の構想などお構い無しに突っ走っていった感じです。
歌詞を仲村屋さんに作っていただく際に「ファンタジー曲(仮)」と音源を送ったら、なんと割とそのままなタイトルになりました!当初は現在のキーから半音階3つ上の調で作っていたのですが、仲村屋さんから「このキーでは難しい、3つ下げくらいが丁度いい」と言われたので、その通り調を変えたのですが、仲村屋さんはどちらのキーでも仮歌を送ってこられたのが一番ビックリしました(笑)。
あー確かにこれではメンバーは歌えないな、と思い知らされたと同時に、仲村屋さんの歌唱力にも驚きました!
曲の骨組みが出来た時に「これは何か足りないなぁ」と感じ、GENTさんにギターをお願いすることにしました。GENTさんには、特にこうして欲しいとか要望せずに投げたのですが、すぐに曲調や意図するフレーズを察していただき、間奏の部分など、あぁここにこのギター最高!美味しい!などと、もうなんか別の曲になったような感動を覚えました(恐らくものすごく苦労されたんだとは思いますが…)。
コラボのような形で曲を作るのは本当に楽しいし、新たな発見になるなぁと感じた曲でもあります。
清水Pに「こんな曲出来ました」と提出した際も、特に変更や注文も何もありませんでしたので「あぁ、これはこれでいいんだ」(若しくは諦められてるか…)と一人で納得していました(笑)。
仲村屋:「ムーンライトパレード」のデモ用に書いていた歌詞が、「ファンタジーメモリーズ」に使えそうだ、というお話をいただき、作詞を担当させてもらえることになりました。ファンタジーな物語を象徴するようなゴシック調のチェンバロの音色が魅力的で、作詞をしながら聞きほれていました。
GENT:12月になってから(組曲の打ち合わせ時)菊池さんからギターを入れたいとご依頼を頂きまして、デモを聞いたときにイントロはこうなんだろうなと3連ユニゾンのギターを入れてみました。間奏のギターソロはテーマがもともとあって、それを弾いたんですがなかなか難易度高かったです(笑)、マーティフリードマンぽくなったんじゃないかなと思います。
― ボーカルレコーディングについて。
菊池:あらかじめ清水Pがある程度歌の割り振りをしているのですが、僕が注目したのは荒武彩音さんです。イメージ的にも声質も合っている感じがしました。メインは主に彼女に主軸を合わせMIXしていきました。
レコーディングの際は、作詞いただいた仲村屋さんも同席していただき、歌い方の指示からだんだんと歌のレッスンみたいになっていったのが印象に残っています。「VoxBox音楽教室」ですね(笑)。
それぞれが歌のパートを歌っていくのですが、その中でいちばん良い雰囲気で歌っていたのが萩野陽向子さんでした。曲メインではないのですが、可愛らしい声の裏返り方やひたむきさなど、上手下手では計れない独特の雰囲気を出していたので、ここに絶対合うな!というところに声を当てはめて、ファンタジーさに一役買っていただきました。
仲村屋:「ファンタジーメモリーズ」は作曲された菊池さんと2人でディレクションさせてもらいました。途中で私がブースに乱入してボイトレが始まるなど、メンバーを驚かせてしまった記憶が…(笑)。ラップの部分は、それぞれの声質の個性をいかしたディレクションがあり、ミックス前の個人のテイクを聞けた私は幸せ者かも知れません。
― 楽曲の聴きどころは?
菊池:イントロからワクワクするような雰囲気からいきなりバロック調へドーン!からの浮遊感のあるファンタジックなAメロなど、常に予期せぬ展開になる、ある意味カオスな展開を楽しんでいただけたら、と思います。
Aメロはメロディーは単調ではあるものの、バックのコード進行を面白く動かしています。自身でよく聴いたら、「いちばん優しいひと(アカペラ曲)」とそっくりだなぁと最近気がつきました。
Bメロ、これはサビに繋げる為だけに有る感じです。GENTさんの曲「アイ♡ワナ」のBメロのように、サビ前に徐々に盛り上げていくクラブミュージックの手法を取り入れてみた(つもり)です。曲の全編通してそうですが、ハンドクラップの音色がずっと入っています。そのような感じで手拍子など入れていただけたらなぁ、と勝手に思っています(笑)。
サビは音程的には動きが少ないですが、追っかけの部分がキモかと思います。歌詞はそれぞれ違うんですが、是非覚えて(!)一緒に掛け声を上げていただきたい次第です(願望)。
間奏はバロック調の最骨頂です。〜囚われの姫が魔王(人間)の塔から救いを求めている、何処からともなく歌のような、囁きのような声が聞こえてくる…しかし勇者は無事魔王(人間)から姫を救出し、自由な世界に解き放った!〜 以上です。ゲームです(笑)。
仲村屋:どうまえなおこさんの原作を読んだ時から、このシーンの楽曲は絶対に携わりたいと思っていたので、作詞という形で叶って嬉しかったです。アイドルヲタクのシゲヲと、メロウ両方の視点になっています。ぜひストーリーとあわせて楽しんでほしいです。
清水:本アルバムの中では唯一菊池さんのみ2曲書いてもらってて、すでに「Only Shining Star」でライブばえな4つ打ち曲やってもらってるので、もう1曲は自由に作ってもらえればと思っていました。それでもデモを聴いた時は「3連で、バロックで、打ち込み音色か〜」といい裏切りをされました。このインタビューでゲーム音楽がベースになってると聞いて、なるほど〜と納得した次第です。
実はこの曲は、デモの到着が遅くて、ストーリー上に当てはめられなくて、とりあえずこの曲順で置いてたんですが、仲村屋さんの「ムーライトパレード」についてた最初の歌詞がこちらに合いそうで、作詞を仲村屋さんにお願いしました。作詞期間が短い中で仕上げていただいて助かりました。尺も短い曲ですが、なんかねアルバムの中でもジワジワと聴き込むと効いてくる曲ですよね。
ストーリー上では、メロウが謹慎となって、好きな人の顛末がわかって、別れが段々近づいている雰囲気を歌っています。

― 続いて、13曲目「泡沫の人魚-組曲-」について。
清水:問題作ですよね(笑)。今回コンセプトアルバムということで、コンセプトアルバムと言えばプログレでしょう、ということで長尺の組曲的な色んなパートが連なっていく曲をやりたいってのは当初からあって、でもどうせやるなら、1人で作るのではなく、共作でやりたい、Star☆Tのデビュー当時から支えていただいた木蓮堂さんと菊池さん松中さんと清水でやりたいって思ってました。
菊池:去年の12月始め、CD発売まで2か月ちょい前、豊田市内の某珈琲店にて組曲担当者が集って、構成などの位置合わせがあったんですよね。組曲の特色は、「詞が先」というものでした。短編小説はほぼ出来上がっており、歌詞もあらかた決まってました。
清水:他の収録曲は、ストーリーを離れても1曲として成立する作詞をお願いしたんですが、この組曲は、どっぷりストーリーに沿った内容にしたいと。それで、短編小説から抜き出した文や作品テーマをまずは書き出しまして。メロウの最後ライブシーンの描写にそれまでのことがフラッシュバックしている感じにして、その詞に沿って曲をつけていきましょうと。詞先ってやってみたかったんですよね、やったことなかったので。
菊池:組曲のコンセプトは「共作」、それぞれがそれぞれのモチーフを作成して、繋ぎ合わせる。静かなパート、激しいパート、オーラスのように見せかけて、後にスタッフロールのような大エンディングが流れる。「なんて素敵な楽曲なんでしょう!しかもそれをアイドルがやるなんて‼」と、思ってすごい興奮しながら、さながら小学生のちょっとお調子者が「はいはーい!僕やりまーす!」と言うかの如く、最終的に曲をまとめる役をかってしまいました!怖いもの知らず、とはこのことを言うのでしょうか(笑)。
清水:菊池さんが「僕がまとめます」って言ってくれて、もう、すごくありがたかったです(笑)。時間もなかったですので(ボーカルレコーディングまで3週間)、仮の歌詞を元に、パートを清水、菊池、木蓮堂で割り振って、あとは順番に作っていってみましょうと。共作と言っても一緒に輪になってではなくて、それぞれデモ音源をデータでやりとりして順番に繋げていくというやり方です。
菊池:清水Pの構想は凄く面白そうな要素がたくさんあって、是非参加したいという気持ちがありました。で、パートの割り振りは、作曲家陣のもろもろの意見をものともせずに独断にて粛粛とパート分けをしてゆく清水P。パート分けは以下のようになりました。
パート@ 静かめ 清水
パートA 激しめ 菊池
パートB 静かめ〜激しめ 木蓮堂
パートC 静かめ 松中
パートDE 激しめ〜静かめ 清水
清水:本当にこれだけの指示でみなさんよく作ってくださいました、申し訳ないです(汗)。あとは「メロウ」のモチーフメロディも入れれば入れて下さいと。
菊池:皆それぞれ宿題を持って帰りました。時間の猶予もありません。早速@が到着。ギターのイントロ。これが来た途端に、Aはロックしかない、と思いました。もうアイドルとか関係ない、思いついたフレーズをロックにしてやろう!と僕は思い、割と早めにモチーフを提出しました。そしたら、「短いので2回ししましょう」ということになりました。歌詞も増えました。
続くBの木蓮堂さんは、フリーな演奏でのモチーフが返ってきました。
正木:「メロウ」のところで話したとおり、組曲の木蓮堂パートもmaj7の嵐で作ったんですが、この和音のいけないところは、調性が希薄なため、音程をとるのがとても難しいところ。
菊池:雰囲気は凄く良い、でもどうやってプロジェクトに合わせよう?歌詞の譜割りはどうなっているんだろう…、と一抹の不安がよぎってました(笑)。
正木:実はレコーディングの日、和香は都合で出席できず、私ではとてもじゃないですが、ボーカルディレクションは出来ませんでした、、、(泣)。見かねた菊池さんが指示を出し、松中さんが急遽仮歌を歌ってくれたのですが、実はそのメロディも想定したものとはちょっと違ってましたが、、、(笑)。そんなわけで、二人揃ってようやく一人分の木蓮堂です(笑)。
菊池:そしてパートC、それまでのモチーフを松中に渡し、こういう感じが良い、と指示を出します。Bまでのモチーフが短いので、長めに取るほうが良い、などと。
少し待って、松中は壮大な、まるで一曲の賛美歌のような曲を出してきました。面白い!面白いぞー、と思いながら細かい修正など擦り合わせていきます。コーラスもこの時点で松中が宅録にて入れていました。
清水:打ち合わせの時に、どうせなら10〜15分くらいの曲にしたいですねって言ってたんです。アルバムのトータルタイムも60分超えるくらいにしたいと。なので松中さんパートでグッとまん中が埋まって「なんかうまくいきそうだ、あとはクラマックスだな」ってなったと記憶してます。
打ち合わせの時に、こんな感じにしたいって参考をみなさんに示させてもらったんですが、クイーンの「ボヘミアンラプソディ」とか、ジェネシスとか。ビートルズの「アビーロード」のB面のイメージもあったりとか。で、個人的にはジェネシス大好きで、ピーター・ガブリエルがいた頃ですね「フォックストロット」とか「ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」とか。ああいう感じにしたいなと。
やってみてわかったんですが、3〜5分の1曲をまとめるのとはまた違ってですね、短いフレーズってパッと思いつくかどうかというか、インスピレーション一発的な感じがあります。詞先でもありましたし、パート@も、他の曲でアコギの音が使われてないので、アコギ出だしがいいかなって、弾きながら歌いながら、ジャン、ジャラジャーン、うん、こんなもんかな?って感じで作ってしまいました。1曲を作るのもいいインスピレーションをどれだけ重ねられるかだと思いますが、そこから、構成とか飽きさせないようにとか、色々考えながらまとめていくわけです。でも今回は、もう思いつきそのままというかね、多分他のみなさんもそうだったと思うので、実はそれぞれの一番コアなものが露出しちゃってる感じはあると思います、まとめる作業をする前のむき出しな感じが。
それで、パートDなんですが、松中さんのパートが3拍子で、ギター弾きながら、じゃあそのまま6/8リズムかな、盛り上げて盛り上げてって感じでここもスルスルっと作っちゃいました。作ってみて、前に作った曲のフレーズ持ってきてることに気づいたんですが(2015年のZepp名古屋ワンマンライブで披露したCD化されてない曲です)、まあ、ここならそれもアリかなと。で、曲的に生バンドアレンジだなと思いましたので、GENTさんと仲村屋さんにギターとかオルガンのソロパートも空けてと。
で、最後どう締めようかなって時に、ふと詞がパート@のメロディに乗りそうだなと気づいて、パートEができて。これで終われるなと。最初のパートのメロディを最後に持ってくるのは最初から目論んでたわけではありません。
個人的には、パートDからEの切り替わり、ブレイクなしでテンポがかわるところが、ピンクフロイド「狂気」の最後の方っぽくて、満足してます(笑)。
― レコーディングも大変だったんじゃないでしょうか。
菊池:今まで割と長くお世話になっているVOXBOXスタジオが大混乱に陥っていました。僕がギリギリまでかかって作成したデモトラックのせいかも知れませんが(きっとそう)、それぞれの作曲家陣、演奏家に、音を合わせたデモのデータと、パラデータ(それぞれの楽器をバラバラにして送るデータ)のおかげでデータ量が半端ない容量となっていました。それを昨日今日でまとめ上げるのですから一筋縄では行かないはずです。
各メンバー、作曲家陣、演奏家陣、エンジニアと総集結して、まだ出来上がっていない譜割りやアレンジコーラスなど、スタジオで作り上げた感がありました。収録ブースでは松中の指導による朝空詩珠紅さんパートの、慣れない拍子で歌う練習(3拍子※厳密に言うと6/8拍子のスローテンポ)、エンジニアブースでは、生楽器はどういう風に収録するのかだの、ここはこういう譜割りで歌って欲しいだの、データがバラバラなのでそれを繋ぐ作業だの、メンバーはひたすら自分のパートの練習だの、とてつもないやり取りがあちこちで行われカオス極まりないものでした。
普段は冷静沈着でサクサク作業をこなしているエンジニア深井さんが焦っている姿を初めて見ました(笑)。
なんだか、、楽しかったです(お前がいちばん悪い←)、制作現場!って感じがしました。
― それを菊池さんがまとめられたわけですね。
菊池:はい、でも、恐らく作曲家陣は皆思い通りになってないのかな、とも感じました。
Aのロックパートでは、もっとリズムを細かく刻んだイメージ(ベースもスラップでした)が、正木さんの生楽器が入ったことにより見事にグラムロック風の重い感じに変化しました(キメの部分は残してあります)。
Bのパートはメロディが意図したものとは違う感じとなり、激しめのパートはデモからかけ離れた雰囲気になりました。
Cのパートは、松中が細かく指導しすぎたあまり、詩珠紅さんの歌がややぎこちなくなった感がありますね、、、。
GENT:ギター入れさせてもらいました。最終デモの段階でギターが入っていましたので、それを再現しようとしたんですが、いかんせんキーボードで打ち込んだギターの音なので、自分なりに解釈して弾いてみました。ギターを録ったのはクリスマスイブ(歌録りの前日)でサンタさんが来る時間帯も弾いてたのでサンタさんは来ませんでした(笑)。メロウのイントロメロディーを弾いたり「アイ♡ワナ」のど頭のキュイーンってのを入れてみたり11分聞きどころ満載です。
清水:この曲全編ギターが、アコギやエレキで入ってて、曲調ジャンルも様々で、裏のキーマンはGENTさんですよね。パートDのギターソロも求めてた以上のソロを弾いてきただいて。
パートDの歌は牧野凪紗に割り振ったんですが、ちょっとキーが低かったですかね、前後の繋がりでそうなっちゃたんですが。それで、嶋ア友莉亜が苦労して上ハモ入れてます。パートEの和久田朱里はいい感じですね。これまでの和久田の歌の中で一番いいんじゃないでしょうか。
菊池:でも、色んな方と協力して創る、というのはこういうことなんだな、と思いました。もちろん1人がワンマンで仕切って、自分の想い描いた音楽をとことん追求するのもアリですが、自分の予想もしない出来事が起こり、最終的にまた自然と形になっていく。そういう曲作りは個人的には好きです。
そんな感じでも時間が限られて(オーバーして)やっと出来た曲です。
サラッと聴くのも良し、とんでもないやり取りが行われて出来た曲(だいたいは僕のせい)と思い浮かべながら聴いていただくのも、また乙かなと思います。
― 最後に聴きどころを。
菊池:一つの曲で歌、楽器、アレンジ、ミキシングが違うという点ですね。歌のリバーブの掛け方、ドラム、ベース様々な点でパート毎に変えています。
Aロックパートでは、メンバーの皆さんに「ロックに歌って!」と指示をしました。メインではないメンバーも思い思いにロックを演じて歌っているので、じっくり聴いていただけたら、と思います。
Bセリフ「雨粒がポツリポツリと体にあたる」の後のピアノのトリルは、まさに体にあたりゆく雨粒を音で演出しています。ここから激しい嵐が始まる予兆のような展開です。
C朝空詩珠紅さんパート、「メロウ」の最後の言葉として象徴されるこのパートは、さながら昇天してゆく天使のようです。松中もメンバーでは無いにもかかわらず、コーラスを精密に(宅録で)作り上げ雰囲気を演出していると思います。
D今までの話を総清算するような力強い牧野凪紗さんの歌です。2015年に行われたZepp名古屋でのワンマンの「未発表曲」がこれに当たりますかね。そう言えばその時もパートが入っていたのを「組曲」と表記していた気がします。
清水:そうでしたね、前々からやってみたかっとことをCD収録という形でやれて満足してます。制作期間も短く、力わざなところもありますが、その分勢いみたいなのも感じて、これまでの積み重ねがあってこそやれた曲だって思いますね。

― そして、いよいよ最後、14曲目「2021」について。作曲・編曲の深井勇次さんです。
深井:仕上がりを聴いても分かる通りライブばえ音源を目指しました。「叫べっ!」の様なお客さんと一体感が作れる様なモノになればと思っておりましたが、清水さんにもその意図を汲み取って頂きイメージ通りになったと思います。
― ボーカルレコーディングについて。
深井:毎回レコーディングさせて頂いていますが、リズムや音程はもちろん各メンバーがそれぞれの個性を発揮出来る様になってきたなと思います。エンジニアとして、その表現力をしっかり収録出来る様にマイクのチョイスも替えてあります。組曲のしずくちゃんパートなんかはハマり過ぎていて驚いているくらいの良い収録音でした。
― 楽曲制作でこだわったところは?
深井:いつも曲を作るときに頭に入れている事は「物足りなさ」です。なるべくコンパクトな構成にして、もう一度聴きたいと思ってもらえるようにしています。何度も聴いて頂いて1番2番の小さな違いにも気づいて貰えれば嬉しいです。
― 作詞は清水さんですね。
清水:先行曲として深井さんからデモが届いた時に「これはアルバムではラストの曲だな」と決めました。それで、詞を書かせてもらおうと。基本できれば詞は他の人に書いてもらいたいと思ってるんですが、この曲は最初から自分が書こうと思いました。
「2021」というワードは、実は「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」を作る前のSHUNさんとの打ち合わせで出ていたワードでして、メンバーたち、若い人たちがこれから生きて行く世界、オリンピックが終わった、夢が終わった後の世界を生きて行く決意っていうのを歌って欲しいなと。そういう意味では「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」の続編的な歌でもあります。
ストーリーと直接リンクする内容ではないですが、メロウが去って、愛を持ってないはずのメロウから愛を受け取った人間が、それぞれ少しずつ愛について考える、というラストにふさわしい感じになったかなと思ってます。
「泡沫の人魚-組曲-」の最後、雷と雨の音から曲間なく牧野凪紗が息を吸って歌い出す感じがいいですよね〜。ある意味では組曲から繋がってる曲としても聴ける流れになってます。

― ありがとうございました。最後に、アルバムをお聴きの方にメッセージを。
清水:大変長々と失礼しました、曲が多いのでお許しください(汗)。でも、手前みそになっちゃうんですが、私自身も思ってた以上に、まとまりのあるとってもいいアルバムになったなと、本当にね、そう思ってます。例えば「モノクロームデイズ」も3タイプで10曲あって、いわばアルバムだったんですが、色んなタイプの曲がごった煮のように入ってて、あれはあれでいいんですが、今回はコンセプトアルバムとしてのストーリーを除いたとしても、曲とか音とか、いろんなタイプ・ジャンルの曲がありつつ、でもなんか統一感があって、まとまってる印象があります。
特に若い人たちは、アルバムを聴くという習慣がないのかもしれませんが、64分じっくりとStar☆Tの、「メロウ」の世界観に浸って聴く、アルバムのよさってのを体験してもらえればうれしいです。
ありがとうございました。
(おわり)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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posted by Star☆T at 14:26| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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