2018年03月08日

【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)

(その1からの続き)
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― 続いて、4曲目「純粋LOVE!」について。作詞・作曲・編曲の山下朋洋(うたれん ごり)さんです。
山下:今回の楽曲提供が自分としては初の楽曲提供になり、しかもアイドルの楽曲という事で最初は悩みました。自分が普段やっているジャンルとは全く違ったもので、それをアレンジも含めて作り上げる事が出来るのかという不安が強かったです。
イメージは王道のアイドル曲でしたが、製作を始めた時に一つヒントになるものが自分の中にある事に気付きました。
「アニソンみたいな感じでつくろう」
元々自分がアニメを好きでよく見ている事もあり、そのあたりを思い返して曲を書き出しました。リズムやメロディーを重ねていくうちに、聴いているお客さんに「こんな風に楽しめるんじゃないか?」というぼんやりとしたイメージも湧いてきました。
そうして曲を作り出した時、「これは作詞もやらせて欲しい」となり、清水さんに打診させて頂きました。作詞のテーマは決まっていたので、詩を書き出してからは早かったですね。「男の純愛」というか、愛するって恋人になるとか結婚するとか、そんな話だけじゃなく、片想いでも相手の幸せを誰よりも願う・・・そんな心も愛するって事だと思ったので。
デモを提出して、清水さんから一発OKを貰った時は本当にホッとしました。
― ボーカルレコーディングに参加された印象は?
山下:レコーディングに参加して思ったのは、Star☆Tのみんなの努力レベルが高いなって事ですね。きっと歌が得意な子ばかりではないと思うし、楽曲の歌唱構成も正直難しめに作ったんです。
そんな楽曲をレコーディング時間が1時間半しかない中で、それぞれがしっかりと聴き込んで今出来る最善を尽くしてくれた事が、何よりも嬉しかったです。あとは、メンバーが楽しそうにレコーディングをしている事も印象的でした。
― 「純粋LOVE!」の聴きどころは?
山下:今回提供させて頂いた「純粋LOVE!」は、歌詞にメッセージ性を持たせながらも、唄う側と聴く側が一体となって盛り上がれるように考えて構成させて頂きました。なので、Star☆Tとファンの皆さんが一体となって、思い思いに楽しんで頂ければ嬉しいです。
清水:うたれんさんは、Star☆TとともにWE LOVE とよたサポーターズってこともあってイベントなんかでお会いすることも多くて。昨年の秋からは、WE LOVE とよたサポーターズの配信番組も主導していただいてたりして。うたんれんさんはフォークデュオですし、アコースティックな印象があったので、提供曲もそういう感じかなと思ってたら、全然違う感じで、ものすごいいい意味で期待を裏切られまして、すぐOKの返事をさせてもらいました。他の曲は細かい要望言ったりしてますが、この曲はまったく修正要望してないです。
確かにこの曲実は音域が広くて、ラップもあったりして難しい曲なんですが、ごりさんはボーカルレッスンの先生もやられてるということで、色々レクチャーいただきながらなんとか歌入れできました。コーラスもごりさんにバッチリ入れてもらいました。
ストーリー上では、メロウをサポートするアイドルファンのシゲヲ目線の曲となってます。

― 続いて、5曲目「神様ONEGAi」について。作詞・作曲のFLC☆komugiさんです。
komugi:前々から私はStar☆Tに私達バンドFLCのオリジナル曲を歌って欲しいと思っていました(2015年4月のブログに野望として書かれてます)。「Night Drive」っていう遠距離の彼のところに車を飛ばしていく曲がありまして。豊田市といえば世界のトヨタ自動車ですもんね、そーいう繋がりもあって。あと「wish!」という曲。名鉄電車の三河線が背景にある曲なんですよ。電車に乗って、彼に告白しにいく曲なんです。キャッチーな2曲のどちらかを歌ってもらえたらなぁと思っていました。それでStar☆Tに曲を提供してる木蓮堂の正木さんに直接メールして気持ちを伝えたんですが、、、、「未発表曲じゃないと」と言われ、その時は断念したんです。
今回、豊田メンバーでアルバムを作成することになった時に思い出してもらえたのでしょうね (^^)ラッキー☆ 声をかけてもらいました。
制作日数が短いことや、現在ギターが海外赴任中で不在なので、バンドメンバーとの話し合いでは今回は見送ろうという流れになったのですが、私は「とりあえず曲作りしてみる!できたら参加しよう!!」とメンバーに無理を言いました。だからなんとしても間に合わせようと頑張りました。
王道のアイドル曲というテーマだったので私の中のアイドルを総動員して作曲をはじめました。会合の時にエフエムとよたの人がラジオの番組で使える曲があったら嬉しいな、、、とおっしゃってたので、まず「ラジオ」と言う言葉を入れようと。
女子高生の子が通学の時に毎日すれ違う男の子に恋してて想いを伝えたい!という曲が降りてきました。
デモの歌入れも可愛さ120%で頑張りましたww 
清水さんから卒業ソングでというテーマをいただき、今の「神様ONEGAi」の形になりました。ファンの皆さんは聴くと切なくなっちゃいますよね。悲しい卒業ではなく前向きな卒業の歌にしました。
Star☆Tの過去の曲のタイトルがちりばめられた歌詞は偶然と必然からできています。
あと清水さんからの提案のセリフスタート、ものすごくはまってて大好きです♪
― ボーカルレコーディングはいかがでしたか?
komugi:朝空詩珠紅ちゃんの初ソロ曲という記念すべき曲に選ばれてうれしかったです。レコで初対面だったんですが可愛くって!両手で握手したような気がしますww
スタジオに着いた時、別の曲の難しいコーラスを録音していて、Star☆Tのメンバーは歌がうまいなぁって思いました。
詩珠紅ちゃんもパワフルな歌声で堂々と歌ってくれて、とにかくあっという間に曲が出来上がりびっくりしました。
― 編曲担当のFLCリーダーのうっちーさんからもコメントいただきました。
うっちー:ふだん時間に余裕のある中でバンド曲の録音編集を行っているので、曲提供のお話を聞いた時は間に合うか心配でした。結果的に短期集中にて無事完全させる事が出来て、今回のアルバムに参加させてもらって大変良かったと思っております。
アレンジは試行錯誤しましたがギターサウンドもありFLCらしさが出せたかと思います。
― 楽曲のアピールポイント、聴いてる方へのメッセージを。
kumugi:昭和の絶対的アイドルが可愛く踊りながら歌っている感じにしました。卒業する子が新しい世界で頑張っていける、そしてファンのみなさんやメンバーが応援できるような曲です。Star☆Tの過去の曲のタイトルを探しながら聴いてみて下さい。
清水:3年前から提供のお話をいただいてたんですね、すみません、、、これまではあまり制作チームを広げないようにしてたので、、、。FLCさんは正木さんから豊田市民音楽祭の常連バンドで、実力あるからと紹介されまして。デモをいただいたら、最初からもう完成してたというか。今風の音色が入ったら、、、なんて要望もさせてもらったんですが、アレンジも職人技というか、隙もまったくないので、いややっぱりこのままでいきましょうってなりました。生バンドサウンドで、歌謡曲の匂いがあって、個人的には大好きです。実は朝空詩珠紅の歌よりも、komugiさんの仮歌の方が断然若くてアイドルでしたから(笑)、FLCのバンドバージョンをぜひ聞いてみたいですね。
朝空詩珠紅が初めてソロで歌ってます。バラード曲は牧野凪紗で決めてて、嶋ア友莉亜と朝空詩珠紅にソロ曲を割り振りたいなと思ってました。ソロ曲があるのもアルバムならではだと思います。
ストーリー上では、メロウがテレビで見るあるアイドルの卒業ソングという設定で、これを見てメロウが「アイドルになる」って誓います。

― 続いて、6曲目「Only Shining Star」について。作曲・編曲の菊池卓也さんです。
菊池:この曲のお話をいただいたのは去年(2017年)の6月くらいでしょうか。前回のシングルが出て割と早い段階でした。ちょうどこちらは、毎年6月下旬に神戸でデビュー記念ワンマンライブを行なっている松中啓憲の、初のレコ初ワンマンの準備をしている最中でした(松中のCDアルバムのレコーディング、またプレスの際はエンジニアの深井さんに大変お世話になりました!)。
なので、僕も神戸にしばらく滞在して、並行しながら曲の骨組みを作っていきました。
「前奏をどうするか?」これが最初に悩んだところです。まず前奏で掴んでおきたい!という気持ちが大きかったです。
ちょうどその頃僕自身が、8bit音楽(矩形波と呼ばれる、昔のファミコンのような荒い電子音を多用する曲、現代のテクノ系にもよく用いられます)にハマっていてよく聴いていました。で、音源を探していたら、「これだ!」という音色が見つかったので、あとは勢いで前奏をババーっと作りました。その音色は恐らく聴いた方なら嫌でも耳に付きますね(笑)。
「ハイブリッドガールU」以降、しばらくマイナー調な楽曲を作ってこなかったので「今回は全面マイナーで行こう」と思いAメロを組み立てていきます。清水Pから、いわゆる4つ打ちのノリ曲というオーダーは受けていたので、バスドラやスネアの音色を慎重に選んだ後はリズムなど思いつくままに作っていきました。そこでBメロからの展開をどうするか考えていた際に、松中がピアノでサラッと弾いたフレーズが儚げで良かったので、すぐに取り入れそのまま1コーラスは完成しました。
あとは繰り返し、という感じで一度Pにデモを送った際に「ダンスナンバーにしたいので、ダンスパートを加えたい、3拍子とか5拍子とか面白いかも」と返答があったので迷わず5拍子にしました。本当に面白いと感じたからですね。なんだかもうこのあたりから当初の「ノリ曲」という概念が頭から離れつつあります(笑)。
僕はもともとゲームっ子で、よく変拍子や5拍子のBGMなどを聴いて育った(?)ので、ダンスパートもゲーム感、緊張感のあるフレーズをこれまた思いつくままに打ち込んで作りました。
ちなみに松中にピアノを弾いて欲しいと頼んだところ「5拍子は馴染みが無いので上手く弾けない」と言われてしまったので、、このパートはピアノを含め全て自分で作りました。その後の落ちサビのピアノソロは「松中お得意のフレーズ」感が出ていて僕もとても良いと思い、そのまま取り入れました。
ギターも入れたらもっとカッコ良くなるかなぁとも思いましたが、Bメロや落ちサビのピアノフレーズが儚げで美しく感じたので、ピアノを聴かせたい!と思い敢えてギターは入れませんでした。が、全体を通してメロウの悲壮感がより伝わる感じで、結果的に良かったなと思っています。
アルバム「メロウ」全体を通しても打ち曲でギターが全く入っていないのはこの曲だけですね。
― この曲のアピールポイント、聴きどころは?
菊池:何はともあれイントロですね。このフレーズが一音でも流れたら「Only Shining Starだ!」と思ってもらえたら嬉しい限りです。しつこいくらいにあのフレーズを、別トラックで重ねて擬似ディレイにしているくらいです。ベース音も含めて曲全体的に深めのリバーブをかけて、歌詞の世界観に合うようなスペーシーな雰囲気に仕上げてみました。
あとはやはり5拍子のダンスパートですね。変拍子の曲を持つアイドルも少なくないかと思いますが、ノリ曲の中でダンスパートだけはじっくり見る、というスタイルがお客さんの中でも何となくできているようなので、これはこれでアリなんだろうな、と興味深く感じています。
落ちサビのピアノソロも、儚さや切なさを感じさせるフレーズなので、聴き込んでいただけたら幸いです。
― ボーカルレコーディングについて。
菊池:7月の時は、スケジュール的に余裕があまりなく、レコーディングもスタジオではない場所で、さらに覚えたての曲を歌ってもらったので(嶋崎友莉亜さん作詞の譜割りや、歌詞を若干変更しながらのレコーディングでもあり)、ミュージッククリップのバージョンではやや荒削りな印象もあるかと思います。
アルバム制作の際に再レコーディングをした時は、すでにライブなど回数を重ねてメンバーも慣れてきたということもあり、割とすんなりと歌入れが出来たと思います。逆に言うと比較的サラッと歌っているので、PV版の荒削りな歌の方が悲壮感があるかも、なんて個人的に思ったり(笑)。
アルバムバージョンでは、Bメロの朝空詩珠紅さんとmisolaさんの掛け合いをミュージッククリップやライブ準拠にパンを左右に振ってあります。作詞の嶋崎さんと話し合い、掛け合いの中で、詩珠紅さんが2コーラス目では感情を亡くしたアンドロイドのような雰囲気になっている、という設定を伝え歌っていただきました。細かなニュアンスですが、聴いてくれた方に伝わってるといいなぁ、と思っています。
清水:菊池さん松中さんとのお付き合いも、Star☆Tデビュー当時からですから、もう6年になりますね〜。菊池さんはいつもこちらの意図を最大限汲み取っていただきつつ、新しい世界も提示してもらえるので、最初にデモを聴く時は安心感とワクワク感が混ざった感じで、絶大な信頼を寄せてます。
この曲も、昨年の6月の段階で「最終的にはアルバム収録するが夏に先行で発表したいので」とお願いしました。ただまだコンセプトアルバムとしてのストーリーはできてなかったので、「まあ、とりあえずライブで盛り上がる新曲をお願いします」といい加減な依頼で(笑)。なんだかんだいつも制作期間が短い中での依頼になってしまって申し訳ないんですが、この曲もハイテンポでライブばえする曲でありながら新しい世界感があって。つい「変拍子とか入れれませんか」って無茶ブリをしちゃいました。
先ほど言ったようにこの時点ではコンセプトアルバムとしてのストーリーはまだできてませんから、詞はとりあえず曲に合わせてという感じで、メンバーの嶋ア友莉亜が初めて作詞しました。菊池さんから届いた曲のデモを聞きながら「なんとなく宇宙っぽいというかセカイ系な歌詞がいいんじゃない?」くらいの相談で、あとはスルスルっと書いてきまして、そのまま採用でしたね。
内緒の話をしますと、コンセプトアルバムのストーリーが出来上がってそのストーリーに合わせるために歌詞を書き直す可能性もあるかもと思って、それで、先行の3曲(「Only Shining Star」「夏をあげる」「2021」)は身内で作詞したってのもありまして(「夏をあげる」「2021」は清水作詞)。お願いした詞をまた書き直してもらうのは申し訳ないので。でも、最終的には書き直しせずにすんだのでよかったです。
ストーリー上では、メロウが好きな人を街中で探しながら、星空を見て想いにふける場面に対応しています。
(その3に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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【楽曲解説】プロデューサーによるアルバム「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)

Star☆T1stフルアルバム「メロウ」の楽曲について、プロデューサーのみなさんにお話しを伺いました。
※楽曲制作者のプロフィールはこちら → http://blog.star2t.com/article/456400380.html

― まずは、トータルプロデュ―サ―の清水さんより本作の制作経緯をお聞きします。
清水:Star☆Tは5枚目シングル「ハイブリッドガール」以降大体1年に1枚のCDを発表してきました。毎年年度初頭に1年の計画とか目標を立てるんです。でも、2016年度は、多数のメンバーの退団もあったりして、計画が立てられない状況でした。計画どころかStar☆T自体存続できるかどうかという状況で。
しかし“アイドル王道”というコンセプトを掲げて、1曲ずつ新曲を作っていって、青SHUN学園のSHUNさんにも曲を作っていただいて、7枚目のシングル「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」を出すことができました。「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」は色んな意味でStar☆Tの中では特別な1枚になりました。
そんな中で2017年度の初頭には、アルバム制作の計画を立てることができました。「コングラチュレーション〜希望の鐘の音〜」収録曲は“アイドル王道”として楽曲の評価もみなさんにいただけたと思いますし、真正面から楽曲やパフォーマンスで勝負するという意味での“王道”もさらに進めよう、次はアルバムだと、自然となりました。
それともう1つアルバムを発想した理由がありまして、Star☆Tはデビューの時から、楽曲制作も豊田の人材、豊田に関わりがある人材に依頼してきました。ここまで基本的には3〜4組で作ってきたんですが、5年活動する中で地元のミュージシャンや音楽制作者と多く知り合いまして、みなさんから「曲作りますよ」と言っていただいたりして、それならアルバムにしないと曲が収まらないなと。
地元のアーティストさんと知り合う中で、1つはこのアルバム制作に繋がり、もう1つは毎月2回豊田市駅前でStar☆TだけでやっていたミニライブをToyota Citizen Music Park〜豊田市民音楽広場〜にグレードアップして(2017年5月〜)ゲスト出演してもらうことに繋がってます。豊田という地方都市でのミュージックシーンというものを作っていきたいと思ってます、アイドルというジャンルにこだわらずに。
― なるほど、ということは“王道”と“オール豊田”というのは最初から決まっていたわけですね。
清水:そうですね。1stフルアルバムと言ってますが、実は6thシングル「モノクロームデイズ」は3タイプでカップリング曲違いで全部で10曲作ってますし、「restart」もミニアルバムとして7曲収録しましたので、曲数が多いことの不安はありませんでした。提供依頼するみなさんに実力があることはわかってましたし。
それで、まあ、年代が出ちゃうんですが、私は“アルバム至上主義”というか“アルバム作ってなんぼ”ってところで音楽聴いて育ってきましたので、やっぱりただ十数曲を集めただけのアルバムにはしたくないな、と。
さらに、Star☆Tはステージや他でも“物語”“ストーリー”を伝えていきたいってのもあって、映画やったり、5周年公演で芝居をやったりしてきたという流れもあったので、ここは“コンセプトアルバム”、アルバム全体でストーリーになっているアルバムにしようと。
― ここで、“アイドル王道”“オール豊田”“コンセプトアルバム”というのが揃ったわけですね。
清水:はい、この3つのコンセプトを最初に決めて、そこから進んでいった感じですね。

― それでは、具体的な制作の経緯をお聞かせください。
清水:時系列でいうと、まず2017年の夏に新曲をステージにおろしたいというのがあって、これまでにも楽曲提供いただいている菊池卓也さんと深井勇次さんに6月の時点で制作依頼をして、私も1曲作って、菊池さん松中さんコンビの「Only Shining Star」と清水の「夏をあげる」を7月に、深井さんの「2021」を10月に先行でステージにおろしました。
本格的にアルバム制作が動き出したのは9月で、まずは、10組の豊田のアーティストさんを集めて交流会(という名の飲み会)をしまして、正式に楽曲提供をお願いしました。ストーリー作りの依頼も豊田で活躍する劇作家のどうまえなおこさんに依頼したところで、まだストーリーはできてなかったので、楽曲制作のみなさんには、とりあえず“アイドル王道”の曲を作ってください、テーマはありません、ジャンルも問いません、歌詞も後でいいです、まずはライブばえする曲をお願いしますと、かなり無茶ブリをしまして(笑)。
― 短編小説の収録はどのような経緯で。
清水:コンセプトアルバムとしてアルバム全体で1つのストーリーを作ると言いつつ、各曲はアルバムのストーリーを離れても成立するようにしたいとも思ってまして、わかりやすくするために、短編小説をCDのブックレットに収録するというのもごく初期の段階で決めてました。最初からどうまえさんに頼むつもりで、どうまえさんなら、いい物語を書いてくれるだろうという見込みもありましたし。
どうまえさんとの打ち合わせでは、テーマはやっぱり“アイドル”になるなぁって話はしまして、でも内容はお任せしますって感じで。それで、どうまえさんから2つのストーリー案がきまして、その1つが人魚姫のモチーフで、いいじゃないですか、それでいきましょう、と。
― 楽曲とストーリーが同時進行で作られていったんですね。
清水:曲の方は、9月から1ヵ月を目処に曲のみのデモをみなさんに作っていただいて、10月にはストーリーの第1稿がどうまえさんから届いたので、ストーリーに合うように曲を並べてみて、各曲の詞のテーマや設定を決めまして、そこから今度は作詞の依頼をするという流れでした。作曲の方で詞もやりたいと言っていただいた方には作詞もそのまま依頼して、それ以外の曲は別の人に作詞を依頼して。ただ作詞もかなりざっぱな依頼で(笑)、例えば「純粋LOVE!」だと「アイドルファンの心意気的な、愛する人を陰で支える悲哀的な」とか、「アイ♡ワナ」だと「アイドルになりたい!アイドルって?的なアイドルの目線で」とか、それくらいのほわっとした依頼でした。今思うとほぼ丸投げですね、申し訳ないくらい(汗)。
ただ、ストーリーに寄せ過ぎて解釈の幅が狭くなるものなぁと思ってましたし、あまりこちらから設定や内容を指定しすぎると、バリエーションが貧しくなるというか、せっかく10組以上の制作者が関わってるんだから、ポリフォニックな、多層的なものにしたいな、できるだけ自由に作ってもらいたいなと思ってのことです。いろんなタイプの曲がある方が飽きないし、私はそういうアルバムの方が好きですしね。
― ここでほぼ楽曲も出そろって、ストーリーも見えてきたと。
清水:まだ何曲かできてない曲もありましたが、そうですね、11月頃には大分見えてきて、手ごたえも感じてました。実は全然曲がストーリーどおりに並ばなかったらどうしようとか、使えない曲があったらどうしようとか心配もあったんですが、それは杞憂でした。ボツにした曲もないですし、例えば曲タイトルもみなさんから上がってきたままですしね。構成や歌詞の細かな直しを依頼したり、逆に曲のデモをどうまえさんにフィードバックしてストーリーに組み込んでもらったりという作業をしつつ、12月のボーカルレコーディングに向けて完成させていきました。
12月に5日間かけてボーカルレコーディングをしました。曲ごとのボーカルの割り振りは、全体の流れや歌の実力をみつつ私がやりました。楽曲制作のみなさんにはレコーディングにも立ち会ってもらって、年末に終わって、それからミックス作業、年明けすぐにプレス入稿でしたので、楽曲提供のみなさん、ミックスの深井さんには、最後は年末年始返上で仕上げてもらった感じです。大変助かりました。
小説も第4稿まで書き直しをしてもらって、最後はちょっと字数がブックレットに収まらないってなってちょっと削ってもらったりして、こちらも年末ギリギリで完成しました。

― それでは、楽曲提供のみなさんにも入ってもらって、各曲についてお話を伺っていきます。まずは、1曲目「Introduction」について。
清水:実は、9月の楽曲依頼の時に木蓮堂さんにだけは「バラードを」とお願いしてまして、さらに曲を並べて作詞をお願いする段階で、バラード曲をアルバムの柱にしたい、タイトルも「メロウ」でお願いしたい、と。そのバラード曲のモチーフをちりばめて、コンセプトアルバム感を出したいというのは、曲順を並べるくらいで決めたと思います。朗読を入れるってのはどうまえさんの提案ですね、こういう感じどうですかって参考の曲を聞かせてくれたりして。
それで、木蓮堂さんから「メロウ」のデモがきて、印象的なイントロのフレーズを作ってくれていて、それを使って「Introduction」と「Instrumental」を作りました。で、小説の冒頭の部分に全体のテーマが出そろってるなと思って、ここを朗読にしようと。
今回アルバムで曲数が多いので、各曲でボーカルを割り振ってて、全メンバーが参加している曲はこれと最後の「2021」だけなんですよね。大体1センテンスずつ交代して朗読してますので、あまり差がなくスムーズに流れるように、感情を込めずに割とフラットに朗読してもらいました。棒読みにならないギリギリのところくらいで。
聴いてる人にも、ここで、グッとストーリーに入ってもらいたいなぁと思ってます。

― 続いて、2曲目の「恋するマーメイド」について。まずは作曲・編曲の藤村のりおさんに伺います。藤村さんはStar☆Tへの楽曲提供は初めてですね?
藤村:はい、もともとStar☆Tさんの楽曲には「気まぐれストーリー」「15センチ」でギター演奏で参加させていただいておりました。今回のメロウ制作の話を聞き、ぜひ楽曲から作りたいと思いコンペに参加させて頂きました。
まさか、採用していただけるとは思っていなかったので、Star☆Tさんに自分の作った曲を使っていただき、とても嬉しく思っています。
― 藤村さんはレコーディングエンジニアの深井さんとお知り合いで。
藤村:はい、深井氏とは10年以上仕事をさせていただいてます。残念ながら、ボーカルレコーディングは、スケジュールの都合上参加できなかったのですが、深井氏のことを信頼してますので、ディレクションはプロデューサーの清水さんと深井氏にお願いしました。次回また機会がありましたら、ボーカルレコーディングもぜひ参加したいと思っております。
― 「恋するマーメイド」を作る上でこだわった点は?
藤村:制作打ち合わせの時に、王道のアイドルソングというお話だったので、キャッチーなメロディ、耳に残るメロディを意識して作りました。Aメロは可愛らしさを出したかったので、音符を減らしています。一度聞いただけで、覚えやすい、口ずさんでしまう、そんな曲になっていたら嬉しいです。
まだ色々な感じの楽曲に挑戦したいので、また機会があればぜひ、参加させてください。バラードとかも得意です(笑)。
― ありがとうございます。続いて「恋するマーメイド」作詞のどうまえなおこさんです。
どうまえ:メロウの小説を書かせていただいたこともあり、アルバム1曲目の歌曲を作詞させていただきました。物語の始まりなので、まだ恋を知らないメロウが恋や愛を夢みるイメージで詞を作りました。曲のイメージから王道アイドルでいこうと思い、80年代90年代のアイドル曲を意識して作詞しました。
清水:藤村さんからのデモを聞いた時に「これぞアイドル王道だ!」ってなりましたね。現在のアイドル曲らしさはもちろん歌謡曲らしいキャッチ―さもあって。この曲をアルバムのオープニング、実質的な1曲目にするとすぐ決めまして、それなら歌詞も王道アイドル詞をストーリーを書いてくれているどうまえさんにお願いしようと。どうまえさんには1曲くらい作詞もしてもらいたいと思ってましたので。
この曲もアルバム発売前にステージで先行披露しました。いわばアルバムからのシングルカット曲という感じですね。

― 続いて、3曲目「愛を目指せ」について。作曲・編曲の西岡隼哉さんです。
西岡:最初イメージはアイドルで考えたのですが、メロウというコンセプトと素晴らしいストーリー読んで映像が浮かびました。その情景を思いながら他の素晴らしい作家さんとできるだけかぶらないよう独特なジャンルで制作を進めました。クラシック風POPといいますか、EDMといいますか、映画音楽風なジャンルで作り込んで行きましたね。
あらかじめキーを聞いていなくて、歌入れの時は歌えるか心配でした(笑)。
― こだわったところ、アピールポイントは?
西岡:一般にいうアイドル曲っぽくないような曲に仕上げたかったので、仕上がりを聞いた時は結構満足しました。情景の浮かぶような楽曲をぜひ楽しんでください。Star☆Tの活動をクリエイティブな部分でお手伝いできたことに大変感謝しています。
― 続いて「愛を目指せ」作詞の石黒さんから。
石黒:最初に西岡さんのデモを聴いた時、パワフルなというかとても前向きな楽曲だという印象を受けました。ライブだったら拳振り上げ盛り上がるのではと。そこで、主人公目線で、愛のため困難にも立ち向かう姿を詩にしたのですが、清水さんからは別の目線で、もっと哲学的なと言うか、荘厳な感じで、と言われまして…思い切って古い言い回しにしてみました。
ただ、目線は、聴く人によってどちらとも捉えられるようにしたつもりです。また、最初のパワフルなというイメージは壊したくなく、英語の歌詞の部分はほぼそのまま残した感じです。今回はあくまでストーリーに沿った歌詞だと思ったので、そこも意識したつもりです。愛を探す困難な旅に、敢えて旅立つ決意みたいなものが伝わっていればいいなと思います。
清水:西岡さんがクラシックを勉強されてきた方だとは聞いてまして、牧野凪紗のソロのプロジェクトもやっていただいたりしてて、バラードの作曲は知ってたんですが、今回激しめの曲ということでどんな感じでくるのかなと楽しみにしてたんです。で、デモを聴いたら「こう来るか!」と。これまでのStar☆Tにはない感じの曲をいただきました。
それで作詞は誰にお願いしようかとなりまして、詞もアイドル曲っぽくない方がいいなと。石黒さんとはもう知り合って10年くらい経ちますが、最近<TAG>というプロジェクトを一緒にしたり、1年前の5周年公演では芝居の演出をしていただいたりして、作詞も1曲お願いしたいなと。確かに最初いただいた歌詞は直しをお願いしまして、演劇界の石黒ファンには怒られそうですが、、、(汗)。でも、多分西岡さんが歌メロと想定してなかったところまで詞がついてたり、譜割りも独特な感じで攻めてましたね、若いです、石黒さん(笑)。私と同い年ですが。
ここでは、メロウが魔女と話すところ、愛についての話を聞く場面を想定しています。
(その2に続く)
「メロウ」楽曲解説その1(全体〜3「愛を目指せ」)
「メロウ」楽曲解説その2(4「純粋LOVE!」〜6「Only Shining Star」)
「メロウ」楽曲解説その3(7「アイ♡ワナ」〜12「夏をあげる」)
「メロウ」楽曲解説その4(13「ファンタジーメモリーズ」〜14「2021」)
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2017年01月01日

新年のごあいさつ

 新年あけましておめでとうございます。
 2016年は、全国ツアーに始まり、多数メンバーの入退団、王道を掲げた4新曲の発表などをはじめ、表に見える部分も見えない部分も、グループとしてもメンバーもファンのみなさんもいろいろなことがあった1年でした。
 今、このようにStar☆Tとして新年を迎えられたこと、これまでになく嬉しく感じています。
 これもひとえに、引き続き、また新しく応援いただくようになったファンのみなさまのおかげと心より感謝申し上げます。
 2017年も、5周年公演、ニューシングル発売と頑張りどころ満載ですが、これまでと変わらず一生懸命にやることだけが取り柄のグループとして頑張って行きたい所存ですので、どうぞよろしくお願いいたします。
2017年元旦 Star☆T一同
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2016年03月31日

【楽曲解説】プロデューサーによるミニアルバム「restart」楽曲解説その2

前回に引き続き、豊田アイドル映画プロジェクト「restart」Soundtarck&Moviesの楽曲について、プロデューサーのみなさんにお話しを伺いました。

――5曲目は「スタート〜神様には前髪しかない〜(ORIGIN)」について。この曲は、Star☆T初のセルフカバー曲ですね。
清水:プロデュースの正木さんが年度末でどうしても忙しいということで、私が代わりに経緯をお話しします。映画「Documentary of Star☆T〜誰がモナカを食べたのか〜」はドキュメンタリードラマということで、メンバーもほぼ全員出ますし、これまでの楽曲も劇中で何曲か使うとのことで、新曲ではなく、リアレンジしたセルフカバーがいいかなと、10月の打ち合わせの時に提案しまして。いろいろ案のある中で、正木さんが「この曲は4年前に作った時から、もっとこうしたかったなと思うところの多い曲なんだよね」と言われて、じゃあセルフカバーしましょうと。
――アコギ中心で温かくて、元のアレンジと似ているようで、実は雰囲気や印象が大分違いますね。
清水:そうですね、木蓮堂感がありますね。前とはガラッと違うほうが・・・と色々試行錯誤してもらっちゃったんですが、最後は4年前の原点に帰ってください!と。マスタリングが終わって「タイトルどうしましょう?」となったんですが、ある意味4年前のバージョンのさらに元のバージョンに遡ったということで(ORIGIN)と付けました。歌も本CDでは唯一全員で歌っている曲です。

――6曲目は清水さんプロデュースの「君に夢中ということは、君が必要で、愛しているということ」についてお願いします。
清水:これまでも、私の楽曲は、新しく作った曲と、以前に作ったものを引っ張り出してきてる曲とに分かれるですが、この曲はかなり若い頃、アマチュアバンドをやっていた20代前半に作った曲です。フェイバリットアーティストを挙げよ、と言われると、ジョン・レノンとポール・ウェラーとなるんですが、この曲はもうもろポール・ウェラーですね(笑)、ソロワークの初期の頃「Wild Wood」とか「スタンリーロード」とか。ジャムもスタイルカウンシルも好きなんですが、ソロワーク初期の頃が一番好きなんです。アレンジも作った当時とほとんど変わってません。
――ほぼ、ドラム、ベース、ギター、オルガンのみのバンドアレンジですね。
清水:こんな渋い曲を収録しちゃうところまで来たんだな、と妙な感慨がありますね(笑)。Star☆Tの最初の頃だったらとてもこんな曲入れられないです。
そういえば、久しぶりにベースを手弾きしたんです、すぐ指の皮がめくれましたが(笑)。歌詞もほとんど変えてません、なので、若い頃の熱い感じが出ちゃってますね。恥ずかしいけど、まあ、この曲にはこの歌詞が合うかなと。だから、いつか生バンドでやりたい曲ですね。
「豊田の星」の主題歌にしたので、ボーカルは主演でもある橋本佳那をメインに据えて、牧野凪紗がサポートで。ライブを想定してかなりキーを高くしてますので、レコーディングはかなり難航しましたが、なんとか妥協せずにやれました。

――6曲目は「Hello Goodbye」について。再び和香さんに加わってもらいます。
和香:この曲は最初から「タイトル“ハローグッバイ”マストで!」って依頼でした。“ハローグッバイ”のフレーズをサビの最後にもってくると最初に決めて作りました。楽曲は、初期のユーミン風というオーダーでしたね。私(たち?)はどうしても、曲にどこか懐かしさを求められる事が多いと思うので、メロディは歌謡曲を意識したり、歌詞も素朴な感じをねらって出してます。
前半、楽しくのどかに過ごした日々、サビのイメージはそれまでと一転してI Have Nothingみたいなドラマチックな展開を考えました。当初「歌詞は 映画そのままでなくてよいです」とも聞いてたので、敢えて少し違う話にしたんですけど、概ね出来上がってから、監督が歌詞を見たいとのことで、監督から修正案が送られてきて、取り入れさせて頂いて、結果、前向きな歌詞にできました。聴きどころは・・・、その、出演Star☆Tメンバーの名前が入ってる部分ですね、これは監督のアイディアです。
清水:とてもシンプルでありながら、実は楽曲としては複雑で・・・と、個人的にはこれまでの和香さんの曲でも1、2を争う好きな曲ですね。デモを聞いた当初から「この曲はアルバムのラストを飾る曲だな」と決めてました。
和香:とにかくどれも、映画・映像を観ずに、曲を書くという無茶振り…>_<。
清水:すみません・・・、なかなかタイトなスケジュールで。
和香:レコーディングが終わってから映画を観させてもらって、「映像を観てからならもっと良いものにできたのに‼」なんて愚痴を言いつつ(笑)、でも、あらためて映画、ストーリーの中の音楽の重要性を実感することができました。豊田の風景の中で繰り広げられるすてきな作品の中で曲が流れて、とても光栄です。

――いよいよ最後は、収録では1曲目の「Restart!」について、プロデュ―サーの菊池さんに再び登場いただきます。
菊池:この曲は、このミニアルバムの中で最後に出来上がった曲ですね。
清水:DVDとセットのミニアルバムといえども、6曲じゃあちょっと少ないなと思いつつ、6曲が出そろってからどうしようか考えよう・・・と先延ばしをしつつ・・・。
菊池:映画の主題歌ではない全体のテーマソング的なものをプラスワンで入れれたら・・・というのは企画段階で伺っていましたが、その時点でどんな曲にするかなどは決まってなかったですよね。
清水:はい。それで、6曲が出そろって俯瞰して聞いてみた時に、やっぱりテーマ曲が欲しい、それもCDのオープニング曲にしたい、と思って、菊池さんに「もう1曲お願いします!」と。依頼したのは、もう年末ぎりぎりくらいでしたね、他の曲のボーカルレコーディングは年明けすぐの予定だったんですが、この曲のレコーディングはもっと遅くてもいいのでと。
菊池:マスタ完成までに色々とギリギリになってしまいご迷惑をおかけしましたm(_ _)m
清水:いえいえ、こちらこそかなりタイトな依頼で、申し訳なかったです。プロジェクトのテーマも決まった頃で、テーマは「restart」でとだけお願いして。
菊池:依頼をいただいた際「曲調や歌詞の雰囲気など全て自由」と、かつて無いほど自由なオーダーでした(笑)。そこで僕の頭の中で検討を重ねることになります。いわゆるアゲ系のハイテンポな曲は前作で「ハイブリッドガールU」がそれを実現しましたし、今回は主に映画の主題歌ということでバラード系が多めなラインナップということもあり、自分なりにバランスを考え「ミドルテンポでノリもあるディスコ系の曲調」という構想がおぼろげながら頭の中に浮かんできました。
清水Pにもその旨をお話しした際「その線でいきましょう」とおっしゃっていただき、本格的にその曲調で作成をすることに決め、共同で製作した松中にも提案してみました。その後、年末年始にかけて様々なディスコ系の曲を聴いたり、様々な角度で松中と話し合い(時には激しいやりとりも…苦笑)、その結果2人がそれぞれラフなモチーフを作り始めました。
ディスコ系の曲はノリは良いですが、どうしてもナイトクラブ的な夜のイメージがあり「restart」の前向きなイメージとは重なりにくく、そのあたりが苦労した点です。
結果的に、A、Bメロは菊池、サビは松中という組み合わせの曲で決定して、ギターの木曽さんにも良いテイクをいただき(アコースティックからロック、ファンクなどマルチなギターの才能をお持ちで非常に助かりました)曲が形になっていきました。
また、組み立ての時点で三者がバラバラな場所でモチーフを作りデータを送り合い、ネットでの遠隔作曲を行ったという点も、Star☆Tの楽曲では初めての試みで、楽しみながら作成ができました。
歌詞もちょっと今までに無いスタンスで作ろうと思い、掛け合いをふんだんに用いて「紆余曲折や葛藤を包み隠さずもがきながらも、仲間や親しい人と支え合いそれぞれの道を進む」というストーリーを描いてみました。
組み合わせという形で作曲をしたのは初めての試みでしたので、曲自体は非常に複雑な動きをしていますが、僕のイメージしていた(爽やかで前向きなディスコノリな)曲は実現できたかな、と思います。
清水:この曲がオープニングに入ったことで、全体に1本芯か通ったというか、締まった感じがします。バラバラな主題歌集ではなくアルバムとしてもまとまりが出たかなと。ボーカルも4人に絞ってレコーディングしました。
菊池:ボーカルは安藤笑さん、嶋ア友莉亜さん、牧野凪紗さん、朝空詩珠紅さんです。上記でも述べたように複雑な構成の歌なので、覚えるのも大変だったかと思います。特にハモリパート(高音がえみちゃん、低音がなぁちゃんです)は特に頑張っていただきました。高すぎたり低すぎたら構成変えるので無理しなくても良いですよ〜とこちらが言っても「出ます、大丈夫です」と二人ともキリっと断言していました(笑)。
この曲が聴いてくださった方へ、どういう印象で届くか楽しみに見守っていきたいと思っています。

――それでは、最後にCDをお聞きのみなさんにメッセージを。
清水:前作の「モノクロームデイズ」が10曲収録!集大成!とフルスロットルで作ったのに比べると、本作はふっと力を抜いて、平常心で出来上がった感じがします。シンプルで決して派手ではないですが、全体的に生音感があって、柔らかくて、ある意味一番Star☆Tのコアな部分が出てるかなと。アイドルらしさはないですが・・・(汗)。映画の手作り感に呼応したところもあると思うので、映画を観て聴てもらってもいいし、もちろんアルバムとして聴てもらってもいいし、スルメを噛みしめるようにじわっと聴いてもらえるとありがたいです。
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【楽曲解説】プロデューサーによるミニアルバム「restart」楽曲解説その1

豊田アイドル映画プロジェクト「restart」Soundtarck&Moviesの楽曲について、プロデューサーのみなさんにお話しを伺いました。

――まずは、清水プロデュ―サーに、本作の制作経緯を伺います。
清水:前作は2015年1月発売の6thシングル「モノクロームデイズ」になるんですが、本当にみなさんのおかげでオリコンチャート19位(シングルウィークリー)にランクインさせていただきました。2014年1月から東京、全国に活動の幅を広げて、フェス出演をかけたコンテストへの挑戦や、名古屋・東京でワンマンライブ開催、全国でリリースイベント、知名度のあるアイドルライブへの出演など、いくつか目標を設定した中でも、チャートインは1つの大きな達成でもありました。これは、アイドルが全国を目指して大きくなっていくコースというかパターンの1つの形だと思うんですが、「そこに正面から挑戦しよう」というのが2014年以降のStar☆Tとしての方針だったわけです。そういう流れの中でいうと2015年7月のZeppNagoyaワンマンライブというのは1つの節目というか区切りでした。1年半かけて一周したというか。
――なるほど、アイドル活動としてひと回りしたと。
清水:はい、そこまで駆け抜けて、「さあ次は?」という時に、もちろんさらに大きな2周目に入る、例えば・・・次のシングルはトップ10入りを目指すとか・・・、さらに大きな会場でのライブを目指すとか・・・という道ももちろんアリだとは思うんですが、Star☆Tとしては、それはちょっと違うかな、と。じゃあ、次は?と言われれば、運営的には、原点回帰、豊田のご当地アイドルとして何をすべきかを考えていくことであり、パフォーマンスとしては、より骨太のエンターテイメントを提供していくということに辿り着きます。いわば、Star☆Tオリジナルをやっていくということです。
そういう思いの中で、2015年の5月頃から、Star☆T出演で、豊田を舞台に映画を作るという企画を進め始めましたから、次のCDは、その主題歌をすべて新曲で作って、5〜6曲のミニアルバムとしてDVDとセットで出すという形に自然となりました。他のアイドルさんもやってないことに挑戦するという意味も含めて。
だから、プロジェクト全体のタイトル「restart(再出発)」は、映画や楽曲の内容からきたものではなく、Star☆Tとしての1つの宣言ですね、決意表明です。
――楽曲制作の経緯はどのような感じだったのでしょうか。
清水:楽曲制作についても新しい挑戦だったと思います。まずは映画があって、その主題歌を作ってもらうという順番です。これまでお世話になっている楽曲制作チームのみなさんには、映画の企画が始まった頃から「次はこういう形でいく予定です」とお話しはしつつ、でもある程度映画の内容が見えてこないと曲も書けないということで、制作時間はかなりタイトでした。
10月かな、松中菊池コンビの菊池さん、木蓮堂の正木さん和香さん、そしていつもレコーディングのディレクターをしていただいているVOXBOXスタジオの深井さんにも来ていただいて打ち合わせをしました。映画は撮影は4本終わってましたが編集はまだあがってきてないので、シナリオを読んでもらいつつ、撮影の雰囲気も伝えて、「さて、どれにします?」みたいな感じで、その場で割とするするっと割り振っちゃいましたね。詳しい話は各曲の解説で話します。
ミニアルバムなので、リード曲というのも設定せず、これまでもアイドルっぽくない曲が多かったStar☆Tですが、今回は、もうはじめから「全然アイドルに寄せなくてもいいですから」と言っちゃってましたね(笑)、バランスもあまり考えずに。とにかく“いい曲”お願いします!と。「モノクロームデイズ」もシングルと言いつつ3タイプ合わせると全10曲あって、中身はアルバムでしたから、かなりバラエティに富んでましたが、今回はさらにディープで、マニアックで、その分作る側は楽しんで作ってしまったかなと。
話を戻すと、12月中下旬をめどに曲を上げてもらって、今回はそのまま全曲OKにしましたから、1月始めにレコーディング、そこから主題歌を元に劇中音楽も作って監督に送って、1月末から全国上映&ライブツアーが始まるので、それまでに映画の完パケをもらうというかなりのハードスケジュールでした。

――それでは、1曲ずつの解説をお願いします。
清水:収録順でいきたいところですが、制作の関係で2曲目の「Lost」から行きましょう。
――了解しました。今回も、各曲のプロデュ―サーに加わってもらいます。「Lost」プロデュースの菊池卓也さんです。
菊池:よろしくお願いします。先ほど清水さんが話されたとおり、昨年の10月頃に制作チームが集まり、どの映画にどのような曲を主題歌とするか、またどのチームがそれを受け持つか等話し合いが行われました。この時点で全ての映画の内容はほぼ確定しており、あらすじなど細かい内容やどんな曲や曲調が主題歌として合うかなどのオーダーが書かれたシートもいただきました。そこで、ざっと目を通してみると「カゲノワズラ」のあらすじが真っ先に目に入り、その時点で一つの曲が頭の中に流れていました。「Lost」です。以前から共同製作をしている松中啓憲の曲で、昨年発売した松中自身のアルバム「ペンタトニック」に収録もされています(※この企画全体の予告編にも使っていただいていますね)。映画をターゲットに作られた曲ではないのですが、偶然にも雰囲気や歌詞が映画の内容と非常にマッチしているな〜と思い「カバー」という形で清水Pに提案をしてみました。
清水:そうでしたね、もうその場で「この映画にぴったりの曲がありますよ」って言ってもらって。
菊池:その話の前後、別の企画としてアイドルコンピレーションのお話があり、Star☆Tに初めて曲提供をさせていただいた曲「ひまわり」をアコースティックバージョンにリアレンジし制作・収録したんですが、その「ひまわり」も最初に提供させていただいたものは松中曲のカバーであり、それを提案した時の感覚に近いものがありました。その他の提供曲は、Star☆Tのために書き下ろした曲で、そのいくつかは松中自身がセルフカバーをしている形ですので、松中曲をカバーいただくのは今回が2曲目になります。
――カバーということで、アレンジ等はどのような形で進んだのでしょうか。
菊池:松中はピアノの弾き語りのシンガーなので、「ひまわり」「Lost」ともに構成はピアノがメインの楽曲でしたが、新たにアレンジを施すにあたり、両曲とも生ギターを押し出した構成にしようと考え、松中のアルバムでもサポートでお世話になった木曽義明さんに再度ギターアレンジをお願いしました。再度、というのは、Star☆T楽曲として彼に初めて依頼した曲は「ハイブリッドガールU」で、パワフルかつメロウなエレキギターを弾いてもらってますので。
今回は全く逆のアプローチではあるのですが、アコースティックとして違和感なく仕上げていただけたので、ピアノは一歩引いた場所に、そしてシンセを柔らかく被せ優しいイメージでオケを仕上げていきました。「Lost」の中盤以降から聴こえてくる鳴き声のような音色は、オーダーして入れてもらったわけでは無いのですが、なんとなく映画本編の「影の存在(※ドッペルゲンガー)」の叫びのようなイメージを表すのにピッタリだな〜、と思い個人的に気に入ったのでそのまま収録しています。
歌詞については普遍的なテーマではありますが、深く染み入り考えさせるようなフレーズ。もしかしたら「ホラー」とは合わないかも知れないけれど・・・、映画のストーリーを拝見した際にビビッと感じた一致感を信じて選曲、アレンジをさせていただきました。
――ボーカルは牧野凪紗さんのソロですね。
菊池:はい、牧野凪紗さん単独です。Star☆T流通版CDにおける完全ソロ、というのは初めての試みではないかと思います。
清水:とても内省的な歌なので、ボーカルを2人以上で割り振るのは合わないし、「カゲノワズラ」の主演も牧野でしたので、ここはすんなりソロで行こうと決まりましたね。
菊池:彼女自身、歌うことが大好きとのことなので、「Lost」もまた彼女なり(またはこの曲を歌ってくださる方)の想いで大事に歌っていただければこの上ない幸いです。

――それでは3曲目「エスプレッソをダブルで」についてお願いします。ここでは木蓮堂の和香さんに加わっていただきます。
和香:よろしくお願いします。
――楽曲制作はどのような経緯だったんでしょうか。
和香:映画が探偵物、それもテレビ版「探偵物語」リスペクトだということで、ハードボイルドな曲、もちろんSHŌGUN風で!というオーダーでした。
清水:正木さんが「SHŌGUNオーダーをうちでやらないわけにはいかない」って言ってたのを憶えてます(笑)。頼む前から「多分食いついてもらえるだろうな」と想定してたところはありますが・・・(汗)。
和香:なので、この曲に関しては、歌詞やメロディからではなく、正木さんにギターでリフから作ってもらいました。そのリフにメロディを乗せていった感じですね。「エスプレッソをダブルで」はリズムと語呂でなんとなく。映画が喫茶店から繰り広げられるので、コーヒーからイメージを膨らませてみました。
――歌詞がとってもハードボイルドですね。
和香:歌詞の内容は、登場人物の中で強烈な印象のマチ子と久藤の物語にしてみました。チャラ男な久藤と、嫉妬深いのにダメ男が好きなマチ子。そういう続編も観たいなと思える映画でした。聴きどころは、リズムがコーヒールンバな部分ですかね。映画音楽なので、こういう曲が良いんじゃないかと、彼女達の歌の得意不得意考えず好きな様に作っちゃいました(笑)。

――4曲目は、Star☆Tへの曲提供は初めてとなる深井勇次さんプロデュース曲です。
深井:よろしくお願いします。
清水:実は、深井さんの「きまぐれストーリー」については他の曲とちょっと経緯が違ってまして、10月の打ち合わせの時に、いつもお世話になっているということで深井さんもお誘いしまして(打ち合わせと言いつつ酒席だったのです・・・)、その時に、せっかくだから1曲お願いします、とりあえずどんな感じの曲でもいいのでお任せします、と無理やりにお願いをしまして。なので、当初は、この映画の主題歌で、ということではありませんでした。その時は「じゃあ、もし出来れば送ります・・・」くらいのお返事だったんですが、数日後にはデモが送られてきて、すごい、誰よりも早いと(笑)。はじめからコンセプトや歌詞もほぼ完成されてましたよね。
深井:この曲、正直に言うと猫の歌です(笑)。猫が家の外に出たい気持ちを歌った歌です。なので、「きまぐれ」「部屋の隅も闇」という歌詞が出てきます。最後には脱走に成功して「サヨナラ」で終わるわけです(笑)。
ただ、それは作詞にあたってのきっかけであり、リスナーが自分なりの状況にあてはめて、いろんな事を想像しながら聴いてもらえたらおもしろいなと、敢えて世界観を特定しないように作詞しました。明るく、前向きな曲に仕上がったかなと思います。
――曲作りはどのようなイメージで?
深井:楽曲は、LIVEを想像しながら考えました。イメージはアンコール前の最後の一曲です!ここでも最後の「サヨナラ」でステージからハケる訳で(笑)。はじめはコテコテのバンドサウンドの楽曲を考えていたのですが、Star☆Tはこれまでもいろいろなジャンルの曲があるとは言え、途中でさすがに違うかなと思い、逃げの意味でポップな曲に路線変更しました。
メロディーは歌いやすくキャッチーである事を心がけましたが、その結果シンプルで簡単な曲にはなってしまいました。でも、LIVEで一緒に歌ってもらえたら嬉しいです。
聴きどころはやっぱしギターソロですね、ギターのアレンジは依頼したのですが、全体のアレンジもギターアレンジにかなり引っ張られました。
清水:早くデモを送っていただいたので、ちょっと待っててもらったんですが、他の人の曲が少しずつ見えてくるにしたがって「アイドルっぽい曲がない・・・」となりまして、さすがに1曲くらいアイドルっぽい曲が欲しい、そのまま「きまぐれストーリー」を収録させてもらおうと。今回の収録曲の中ではもっともというか唯一のアイドル曲ですよね。でも今どきではなくちょっとノスタルジックな歌謡曲っぽさもあり、初めて楽曲提供いただきながら、Star☆Tらしい楽曲だと思います。雰囲気も映画の「Girls Be Ambitious!」に合うなと主題歌にさせてもらいました。歌も映画出演の3人にして。
深井:歌っているメンバーの個性が出るようなテイクも録れたかなと思います。譜割やメロディーがデモとは違っていても、それぞれの歌い癖があったのでそちらを重視しました。
(その2に続く)
posted by Star☆T at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする